Talk to me about milk.

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 自我を引き留めようともがく芳野を、大地はいきなり強く握った。突然刺激を中断されて泣きそうになる。大地は芳野の額に口づけする。目を見開くと、また口を塞がれる。 「んん……っ」 「悪い事してるわけじゃねーから。な? みんなやってっから。ダイジョーブ大丈夫」 「……ッ」  そんなの嘘だ、と反論する間もなく腰が跳ねた。  はぜた瞬間、芳野は掠れた悲鳴を漏らし、しばし乱れた呼吸を整えるのにせいいっぱいだった。ようやく体を起こすと大地が満足げに手のひらを眺めている。 「早く拭け!!」  芳野は血相を変えた。テーブルの近くにあったティッシュを引き寄せ、中身を引き抜いて投げた。大地は芳野の恥ずかしさなど気にも留めず、ご機嫌な顔で手を拭う。そして嬉しそうに芳野をぎゅうっと抱きしめた。 「サイコー!」 「何が最高だ、馬鹿」 「俺にイカされる芳野、めたくそ可愛い」 「馬鹿!! もうしない、絶対にだ!」  芳野は慌ててスエットを引きずり戻した。体が密着しているせいで大地のそれはまだガチガチなのが丸わかりだったが、どうにかキスで我慢するつもりらしい。額にも頬にも首にもやみくもに降ってくる。 「なあ、マジで今日はここまで? もうちょっと進めてみねーか」 「駄目だ! さっき約束したはずだ」 「んー、しょうがねーか……そんじゃ、次に来た時は舐めさせて」 「え……手じゃなくて……?」  芳野はたて続けの未知体験ゾーンに思わず言葉を返す。大地は元気に頷いた。 「そ」 「嫌に決まってるだろう!」 「そこは頑張ろうや。約束な」  相変わらず人の話をきかないまま、大地は承諾の証とばかりに口づけした。  いつもこんな調子で大地に押し切られる。しかも抵抗しつつも、少しづつ懐柔されているのが恐ろしい。大地がキスをしようと顔を近づけると、首を傾けて迎えている自分がいる。  恐ろしいことだ。馴らされつつある。  芳野は大地が帰ってからもその一連の出来事を反芻しては地球の裏側まで全力疾走したくなるのだ。
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