4

1/2
前へ
 /47ページ
次へ

4

〇コノ 「朝霧さん。」 「はい?」  呼ばれて振り向くと。 「あの…高等部の田中って言うんだけど。」 「はい。」  高等部の田中?  高等部の人が、何の用だろ。  沙都ちゃんの友達か何かかな? 「今、彼氏いる?」 「え?あたし?」 「うん。」 「…いませんけど…」  何だろ。  体育会系の、ちょっと色の黒い田中さん。  あたしを、ジロジロ見て…まあ、まあ、まあ、な笑顔。 「俺と、付き合わない?」 「……」  あたし…  今、告白された?  朝霧さん…って呼ばれたよね?  音の間違いじゃないよね? 「…あたし?」 「うん…」 「……」 「…ダメかな…」 「あたしの、どこがいいの?」 「えっ?え…えっと…いつもニコニコしてて、可愛い所…」 「……」  そ…そんなの、初めて言われた!! 「田中さん‼︎ありがとう!!」  あたしは、両手で田中さんの手を握る。 「えっ!?」 「嬉しいけど、付き合えないわ!!でも、付き合えないけど、めちゃくちゃ嬉しい!!ありがとう!!あなたの事は、忘れない!!」  手をぶんぶんと振って、あたしは田中さんと別れた。  告白されたーーーーー!!  あたしの事、ニコニコしてて可愛いって!!  季節は秋。  ガッくんとは、相変わらず都合のいい関係。  毎週とは言わないけど。  お互いの都合のいい時は、いつものラブホで…セックスをする。  ガッくんによって、かなり開拓されてしまったあたしは…  たぶん…現在彼氏がいる音よりも、あんな事やこんな事をしている。  その都合のいい関係のおかげで…  あたしは、ちょっと自信を持て始めてる。  コンプレックスも…少し、減った。  ガッくんち。  自転車がある。  沙都ちゃんがよく来るから、警戒しなきゃ。  でも、この自転車は沙都ちゃんのじゃない。  ガレージを確認して、あたしは部屋に上がる。  玄関のカギが開いてる時は、勝手に上がっていいって言われてる。  都合のいい関係の特権。 「ガッく…」 「きゃあっ!!」 「うわっ!!」 「あ…」  ドアを開けると。  ガッくんの部屋で…ガッくんと、知らない女の子が…裸になってた。 「……」 「何だよ。チャイム鳴らせよ。」  ガッくんが、あたしにクッションを投げた。 「…ごめん。お邪魔しました。」  静かにドアを閉める。 『今の子誰?』 『幼馴染。』  ズキン。  その場で、瞬きをパチパチとした。  まあ…間違いじゃないよ。  小さな頃から知ってるしね…  でも…  勝手に上がっていいって言ったのは、ガッくんなのに…  クッション投げるって、どうよ。  …今の、彼女かな…  彼女、できたのかな…  そしたら…  あたしとは、ラブホ行けないよね…  …て言うかさあ。  何で、今の女の子とは、部屋でするわけ?  何だかムカムカして来た。  あたしとはいつも、電車で三駅。  あのラブホ。  …あたしだって、ガッくんのベッドでしたいよ…!!  ……って…  これって…あたし…  ヤキモチ?

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>