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「いいねぇ、そう言う話」
楽しそうにグラスを手にするイーヴルは、これまた楽しそうに笑う。
「リアンはさ、ある種のカタブツじゃん。到底こんな話は出来ない」
「俺は何だよ」
「リアンよりはカタブツじゃない。でもリアンは色々と察してる」
何の話だ、えらく軽いテンションのイーヴルに呆れつつもきちんと耳を傾ける。
「俺さ、黒曜さんが好きなんだ」
ぶはっ!とアイゼンがむせた。ごほごほと咳込む。いきなり何を言うのだ。
「多分、離脱していたアイゼン以外、みんな気付いてる。だからみんな、俺に黒曜さんを押し付けてくる」
「…聞くんじゃなかった」
酔っ払いテンションの話はどうしようもない。女子同士の話も結構なものだが、男子同士の話もどうしようもない。
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「で?どこが良いんだよ、あいつ。対応、酷いだろ?」
「それはアイゼンが黒曜さんを手懐けられなかったからだろ?ちゃんと知ると黒曜さん、可愛いんだよ?」
「はぁ?どこが。愛想ないし、いつだってレンチで狙ってるだろ?」
「あれは常套句だけど、実際にレンチでは殴らないさ」
「いつだって機嫌が悪いじゃないか」
「いつも眠いからだね」
「イーヴル、余裕あり過ぎだろ」
「素の黒曜さん、可愛いよ」
駄目だ、イーヴルはもう駄目だ。アイゼンは覚った。
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