◆規格外002/語るオレンジ、黙る漆黒

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「いいねぇ、そう言う話」 楽しそうにグラスを手にするイーヴルは、これまた楽しそうに笑う。 「リアンはさ、ある種のカタブツじゃん。到底こんな話は出来ない」 「俺は何だよ」 「リアンよりはカタブツじゃない。でもリアンは色々と察してる」 何の話だ、えらく軽いテンションのイーヴルに呆れつつもきちんと耳を傾ける。 「俺さ、黒曜さんが好きなんだ」 ぶはっ!とアイゼンがむせた。ごほごほと咳込む。いきなり何を言うのだ。 「多分、離脱していたアイゼン以外、みんな気付いてる。だからみんな、俺に黒曜さんを押し付けてくる」 「…聞くんじゃなかった」 酔っ払いテンションの話はどうしようもない。女子同士の話も結構なものだが、男子同士の話もどうしようもない。 ─────────────── 「で?どこが良いんだよ、あいつ。対応、酷いだろ?」 「それはアイゼンが黒曜さんを手懐けられなかったからだろ?ちゃんと知ると黒曜さん、可愛いんだよ?」 「はぁ?どこが。愛想ないし、いつだってレンチで狙ってるだろ?」 「あれは常套句だけど、実際にレンチでは殴らないさ」 「いつだって機嫌が悪いじゃないか」 「いつも眠いからだね」 「イーヴル、余裕あり過ぎだろ」 「素の黒曜さん、可愛いよ」 駄目だ、イーヴルはもう駄目だ。アイゼンは覚った。 ────────────────
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