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「いばらの道、ですか」
「かなり難しい相手だねってこと。まぁ何かあったら俺のところにおいでよ。ぜんぶ忘れさせてあげる」
「……寺西さんって、誰にでもそんなこと言ってるんですよね?!」
どこまで本気なのか冗談なのか分からない寺西さんは、ジト目で返す私のそんな言葉にもヘラヘラ笑っている。
「美羽ちゃんのそういう媚びない態度、俺、けっこう好きなんだけどね」
「それはそれは、どうもありがとうございます」
「本当に揺るがないね~」
とても笑えるような気持ちじゃなかったのに、寺西さんとそんなことを言い合う内、気付くと私の頬は緩んでいた。
押しつぶされそうだった胸の痛みも少しだけ紛れているような気がする。
横浜みなとみらいの大きな花火のように咲いた観覧車を見送りながら、今、隣に寺西さんがいてくれて良かったと、心の中で思った。
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