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「そういえば、こんな時間だけど姉ちゃんどうやって長野に来たの?」
問いかけられて、私はとっさに「友達が車で乗せてきてくれたの」と答えた。
それ以上に余計なことは言えない。
二人に爽の存在を知られたら面倒なことになるに決まってる。
血相を変えた私に、お父さんが目を丸くした。
「それはお友達に申し訳ないことをしたなぁ。父さんからもお詫びしなきゃ。お友達はどこに?」
「あ、いい!いい! 大丈夫! 私がよく伝えておくからそれは!」
「でも東京からだなんて、すごい距離じゃないか。一言だけでも……」
「本当にいいから!」
お父さんや康太に爽を会わせるわけにはいかない。
二人も以前の私のように爽を知らない可能性もあるけれど、もし知っていたら。
絶対に大騒ぎになって、根ほり葉ほり聞かれることになるだろう。
残念そうなお父さんをなんとかなだめて、私は病室を後にした。
とにかくお母さんが無事でいてくれて良かった……。
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