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私はそのまま寺西さんに連れ出されて、たくさんの人が行き交う廊下を抜け、観音開きになった鉄製の扉の前で立ち止まった。
「さぁ、見てごらん」
寺西さんが片側のドアを押し開く。
そこに見えた景色に、私は思わず「わぁ……」と感嘆の声をあげた。
広大な空間の中央に伸びるランウェイ。
大きな三つのビジョン。
たくさんのスポットライトに、ステージを彩るカラフルな照明たち。
客席エリアと通路を挟んで、会場の壁沿いにぐるっと出展企業の屋台のようなブースが囲んでいる。
「すごい……」
動員数三万人ごえなんて聞いても、実はあまりピンときていなかった。
でもこの広い会場を、きらきらとまばゆいランウェイを、活気に満ちたブースを見ればよく分かる。
この中をさっき外で暑いなか並んでいた女の子たちが埋め尽くすんだ。
爽のことを考えて落ち込んでいた気持ちが、高揚してくる。
寺西さんはそんな私に微笑んで、頷いた。
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