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寺西さんは心を決めたようにきっぱり言い切った。
「うん。これでいこう」
「寺西さん? どうしたんですか?」
真剣な表情で周囲のスタッフを見渡しながら口を開く。
「田無さんの代わりに灰田さんにモデルになってもらう」
「「え?!」」
思わず大声を出してしまったのは私と爽で、スタッフもどよめいている。
――私が代役ってこと?! そんなのありえないよ。
「そ、そんな、こんな時に冗談言わないでください」
「美羽ちゃん。冗談なんかじゃないよ。俺はこれが一番良い方法だと思ったんだ」
「でも一般人の美羽をステージにあげるわけには」
寺西さんと私に爽が割って入る。
彼も困惑しきった様子で、寺西さんだけがひとり落ち着き払っていた。
「都築くん、美羽ちゃん。それからみんなも。聞いてくれ」
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