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いつもより少し派手なメイク。
でも寺西さんの言うReal clothesのブランドコンセプトのためか、過度にインパクトのあるメイクじゃない。
普段自分では選ばない明るいオレンジのリップやボルドーとテラコッタカラーの中間のような女の子らしくも温かみのあるアイシャドウ。
肩甲骨の下あたりまである黒髪がふわふわに巻かれ、ラメ入りのスプレーが振りかけられて細かなラメの粒子がキラキラと輝いた。
ーー自分が自分じゃないみたい。
胸の高鳴りを感じながら席をたつと、そこに寺西さんがやってきた。
すらりとした長身に映えるグレーのトレンチコートを羽織り、爽とは対照的な黒い薄手のニットとボルドーのスキニー姿。
本職のモデルにも引けをとらない着こなしだ。
スタッフとの会話を終えた爽も隣に並んで、二人して私をまじまじと見つめてくる。
「美羽ちゃん、よく似合ってるよ」
「あ、ありがとうございます……」
なんだかものすごく照れくさい。
笑顔の寺西さんと、むっつりと黙り込んだ爽。
「自信もって。すごく可愛いよ」
「そ、そんな」
寺西さんの真っ直ぐすぎる賞賛に顔が熱くなる。
なんでこう、しっかり目を見つめて、平気でそういうこと言うかな……。
「ね、都築くんもそう思うよね?」
「ちょ、寺西さん!」
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