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突然、寺西さんがそんな風に爽に話を振るから、血の気が引いたような、血圧が上がったような、なんだかもう自分でも訳が分からなくなってしまう。
すると口をつぐんでいた爽が、ひとつ咳ばらいをした。
「そ、そうだな。……まぁ、悪くねぇよ」
「悪くないってなんだろうね。都築くんは素直じゃないなぁ」
「はぁ? なんすかそれ」
爽の顔がみるみるうちに真っ赤に染まる。
いたずらっぽくニヤニヤ笑う寺西さんが肩をすくめた。
爽は「はっ」と鼻で笑うと、上気した顔を隠すようにそっぽを向いてしまう。
もうすっかり寺西さんの前でも素の爽そのものだ。
私はそんな二人を眺めながら、四十分後に控えたショーでの出番に思いを馳せた。
すごく緊張するし、不安でたまらない。
――本当に大丈夫なのかな……。
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