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「佐々岡さんがネットに写真を流したのね?」
彼女は何も答えない。
あの写真がスマホに入っているのを見たはずなのに、心のどこかで信じたくないと思っている自分がいた。
この決定的な言葉を否定してほしかった。
だけど何も言ってくれないってことは、肯定するのと一緒だ。
佐々岡さんの大きな目に涙が溢れる。
「だって、ずるいじゃないですか。いきなり寺西さんに気に入られて広報部に異動して、そのうえ芸能人の都築爽とも関係があって?」
「そんな……」
「ジャパンガールズコレクションのネットニュースの記事を見て驚きました。これまでまったく恋愛には興味ありません、何も知りませんみたいな顔してたくせに、都築爽と寺西さん、男二人に囲まれてニコニコしちゃって。先に寺西さんを好きになったのは私なのに、横からかすめとってくなんてありえないっていうか」
佐々岡さんの言葉は私の心に鋭い棘のように突き刺さって、思い出の中の彼女の姿さえかすませる。
こうなる前になんとかできなかったのかな。
佐々岡さんにこんなことをさせる前に、なにか。
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