365人が本棚に入れています
本棚に追加
/245ページ
絶対、今、私、顔真っ赤だ……。
あまりの恥ずかしさに耳まで熱い。
「で、どうにもならないからタクシーでここまで運んだ」
「どうやってうちが分かったの?」
「あー。免許証、借りた。財布から。あと、鍵も」
「う、うそ……」
気が抜けて、また布団に倒れてしまいそうになった。
なんで勝手に……と思いかけて、ここまで運んでもらったのだから文句は言えないと思いとどまる。
「まぁ、もしなんか体調悪かったりしたら、一応病院で診てもらえよ」
「あ、は、はい……」
靴を返しにいったはずが、まさか寝落ちでこんな迷惑をかけるなんて。
申し訳ないやら情けないやらで、穴があったら入りたいくらいだ。
「普通、道端でいきなり寝るか? マジでビックリした」
「ご、ごめんなさい……、しばらく、まともに寝てなくて」
そう言いながら、ちらりと部屋の片隅にある作りかけの封筒が山積みになったケースに目をやる。
そうだ、今日だって本当は続きをやらなければいけなかったんだ。
そう思い、慌ててローテーブルの上の時計を見ると、時刻はもう深夜二時を過ぎていた。
「えっ、二時?! こんな時間まで、どうして」
最初のコメントを投稿しよう!