第四章 もうひとつの出会い

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「あ、遊んでみるって……」 「デートならいつでも大歓迎~」 「ちょ、何、変なこと言ってるんですか」 「お、その反応、可愛いねぇ。いいじゃんいいじゃん、ね? 俺と遊ぼうよ」 「お、お断りします!」  今度は愉快そうに笑っていた寺西さんが、目をまん丸に見開いた。  ――え、この人、断られて「なんで?」って顔してる! 爽とはまた違うけど、めちゃくちゃ自己肯定感高いタイプだ! 「え、なんで?」 「なんでって……」 「デートの誘い、冗談でも断られたの初めてかも……。なんでダメなの? あ、彼氏がいるとか?」 「そ、そんなのいませんけど」 「なら、どうして?」  寺西さんは心底分からないといった様子で困惑している。  それにしても、これまで断られたことがないなんてすごい。  さすが噂のプレイボーイ。  私はちょっと言いにくい気もしたけれど、咳払いして答えた。 「だって寺西さん、ものすごい女性関係が派手とか」 「それはまぁ、そうだねぇ」 「女の子をブッフェみたいに食べ放題してるとか、なんとか……」 「ぶっ」  吹き出した寺西さんがお腹を抱えて笑っている。
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