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沈黙が流れて、なんとなく気まずい空気が漂う。
だから私はフォローのつもりで、つい咄嗟に口走ってしまった。
「私も恋愛禁止みたいなものだよ」
爽が目を細めて「なんだそれ?」と首を傾げる。
口に出してから、真面目に恋愛禁止を自らに課している爽に聞かせるような話ではないのでは……なんて後悔してしまう。
「いや、あの、なんでもない」
歯切れ悪く答えた私を爽が訝しげにじっと見つめる。
その目からは話を聞くまで納得しないというような圧力を感じた。
仕方ないか……。
私は観念して渋々、重い口を開いた。
「前に家族に仕送りしなくちゃいけないって言ったじゃない? それっていうのがね、私が大学三年の時にお父さんが友達の借金を肩代わりさせられることになっちゃって……とても普通の家庭が払えるような金額じゃないから、家を売ったり私が大学を中退して働くことになったんだけど」
爽は腕を組んで、黙って私の話を聞いている。
こんな話して引かれないかな……。
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