第四章 もうひとつの出会い

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 スポーツマンみたいで爽やかな短髪、博識そうで思慮深い眼差し。   ここで変なことを言ったら、きっと爽に怒られる。  私はおっかなびっくり、ぺこりと頭を下げる。 「色々あって」 「色々?」 「ああ。設楽さんの心配するようなことはないから。ウーバーイーツとか宅配ピザと同じですよ」  爽のその言葉を聞いた瞬間。  チクリと、胸の奥に小さな痛みが走った。  ――あれ、なに、これ……?  設楽さんが私と爽を交互に眺めながら、首を傾げる。 「その割には、随分親しそうな声がしてたけど?」 「別に……本当にご心配をおかけするようなことはないんで」 「ふぅん。まぁでも爽もこんなこと言わなくても分かってるだろうけどね。今、大事な時期なんだ。気をつけてくれよ」 「はい」  爽の後頭部が頷くのを、私はぼんやり見上げていた。  金髪に近い茶色くて細い頭髪がさらりと流れる。  ーーどうして、今、あの失恋のことを思い出した時みたいに胸が痛くなったのだろう。
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