歯ヲ齧ルの3

俺、ほんとに意志が弱いのな。

キスしてる最中、指で擦られてイった。
女の人とする時はこういうのありでしょう？　っていわれて気持ちいいのいいよね、と口の中で呟かれる。歯を齧りながらイくのはたまらなく気持ち良かった。
そうすると、今度は手で触るのもアレで触るのも変わらなくない？　と言われる。働かない頭でそうなのかなと少しだけ思うといつのまにかソウタのとまとめて擦られていて同時に達していた。何か流れがおかしい。
ねぇ、触って、ちょっとだけでいいから、とねだられて、流石にそれはと断ったけど、チン◯どうしを擦るのより指で擦る方が抵抗があるものなの？　と問われて俺は酷く動揺して、導かれるまま指が触れると、ひあ、という大きな声が上がって口の端から白い歯が震えて唾液が零れるのが見えた。新しく見えたソウタの歯の表情が眩しくて、もうちょっとだけと思って恐る恐る触ると、ふわあ、という声が漏れて大きく歯が見える。今までになく気持ちよさそうなソウタの声と様子に混乱して擦っているとすぐに達して、恥ずかしいってはにかみながらキスされた。……あれ？

ソウタはなんていうか多分絶倫という奴？
1回だしてもすぐ勃つ。1回に出る量が少ないのか、製造量が多いのかはよくわからないけど。俺だから特別っていうけど、そうじゃなきゃ一晩中元気でいてそれで平気とか意味がわからない。
それから凄く乱れる。声を出すことに抵抗がないっぽくて、凄い気持ちよさそうに喘ぐ。声が少し高くなって、なんか女の人っぽい。目隠しされてしてる時は男の人とは全然思えない。
ソウタが一番乱れるのは指で擦ってるとき。骨、ほんとに好きなんだな。俺の骨が好き。それは散々齧られてるから知ってるんだけど、俺の浮き出た指の骨に擦られるのが堪らないという。
その気持ちは凄くわかる。俺もソウタに歯で齧られるのは、なんていうか特別。好きなものに好きにされるって言葉にできないくらい気持ちいい。ソウタは歯に興味ないのに最初から齧ってくれたけど、俺は何もしてないなと思ったらまあいいかなという気持ちにもなり、なんとなくそう考えてたら流された。

でも、でもだぞ？
俺は1回も自分からはしてない。どうしてもって言われるからしょうがなく。そう、しょうがないの。だからこれは恋人とかとは違うの。
……恋人ってなんだろう？

毎週土曜のお昼前にソウタの家に行ってイチャイチャしたら一緒にご飯食べに行って遊びに行く。
決してデートではない。一緒に遊びにいくだけ。
買い物とか映画とか、たまに水族館行ったり。デートじゃないの！
それで晩ご飯食べたらファルニカティアのライブに行ってソウタが歌ってるのを見てる。歌ってるときの歯もなんか特別で輝いてる気がする。よく聴くと声も奇麗な気はする。
一緒に帰ってイチャイチャして、日曜はソウタに仕事がない限りずっとイチャイチャしてる。だってあの歯を見たらキスせざるをえないだろ。
……。恋人じゃないの！