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本来なら,襲われて身の危険を感じて自殺した妹の為に復讐するか、それとも、世界的スターであるサンタクロース・リーを事務所に勧誘する為に、危害をくわえる悪党ボスを倒すかだけど、あくまでこれはオリジナルだから、クリスマスプレゼントの奪還で話をしチョー!アチョッ!
もう,お気づきだろう。サンタクロース・リーはサンタになる前は、某有名ハリウッド俳優だったのだ。人間界でヒーローだった者だけが、本物のサンタクロースになれるのだった。
渋谷の駅の裏にこんな古い寺院があったのか?しかも広大な敷地に、おんぼろとも言える五重塔なんてあったら、SNSで速攻拡散するはずだが、今のところ、そんなモノを見た者はいない。ホグワーツの13.5番ホームみたいな仕組みになっているのだろう。たぶん…。ブラックサンタも見つかってはいけないのだ。きっと…。
設定が定まりきらない内に、サンタクロース・リーは五重塔の入り口にたどり着いた。
チャーン♪チャチャン♪アチョー!
石段を駆け上がり木製の扉を開けた。
すると、中には白髪のロン毛、白髪のロン髭、たいがいカンフー映画に出てくる悪玉のカンフーマスターみたいな風貌の男が立っていた。
「ふっふっふ。そろそろ来る頃だと思っていたぞ!サンタクロース・リー!それにしても、その黄色に黒のラインの全身タイツはなんだ?サンタクロースにふさわしくないぞ!」
「あんた誰?タランティーノもインスパイアされてキルビルで使ったこのコスチューム知らないなんて、モグリだろ。アタタタタ。」
「私は倉田流師範。クラタヤスアキだ。ふん。なんとでも言え。ワタシを倒さねば、この金の袋は手に入らぬぞ。」
と、中身を抜かれた金の巾着袋をちらつかせる。
「えっ。あんた日本人だったの?なんか見た事あるけど…。もしかしたらアンタも本物のサンタクロースになれたのでは?まぁ、倒さねばならないなら、しょうがない。アチョー!」
サンタクロース・リーはあの誰しも憧れた。謎の武器。誰もが箒の柄やプラスチックやダンボールで、作って遊んだ美しい武器。ヌンチャクを構えた。
「えっ。緑と赤と金色,銀色。何だ!その派手派手なヌンチャクはー?クリスマス仕様かー?」
ビュンビュン!ビュンビュン!ビュンビュン!
ピタッ!
リーはうれしそうに答える。
Don't think. Feel.
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