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言っておくが、サンタクロース・リーはジークン道の達人。そこらのカンフーマスターでは、手も足も出ない。そのリーがたった一度の掌底で苦悶していた。
リーは思い知らされた。ブラックサンタはかなりの使い手だ。何か弱点を見つけなければ、良い子たちへのクリスマスプレゼントが取り返す事はできない。どうすれば…
ブラックサンタひろは、右手の親指で、まるでサンタクロース・リーの様に、右手で鼻を弾く。歯を食いしばり、両方とも眉毛だけを上げて、不敵な視線をリーに送り、まるでリズムでも取るように、首を横に2回振る。人差し指と中指をリーに向かってゆっくり立てて、来い来い。と無言で合図する。アチョッ!
🎅「アチョッ! あれっ?見た事あるぞ。夢か?」
とは思ったが、ブラックサンタが馬鹿にしているのが許せない。サンタのカリスマとしてのプライドが、リーを奮い立たせる。ヌンチャクを水平にして構える。ここはとにかく集中、集中。
「全集中!ドラゴンの呼吸 壱の形 ヌンチャク龍龍」
🎅「アチョッ! あれっ?見た事あるぞ。夢か?」
ヌンチャクの流れに合わせて龍が現れる。龍🐲は竜巻のように🐉ブラックサンタひろを取り囲み、強い光を放ち、ラスボスの頭上から噛みついた。
ドォーン!
ついにブラックサンタの首領を仕留めた。はずだった。だが、そこにあったのは、丸太に着物を着せた身代わりであった。
( ̄ー ̄ )「ふふん。高速忍法 替え玉の術。サンタクロース・リーよ。あんたプライドないの。たしかにそれ今年流行ったけど…それじゃあサンタクロース・タンジローじゃないさ。あんたも一世風靡したんだろ?あんたに憧れた人、いっぱいいるんだからね。」
リーの顔に焦りの色がうかがえる。
「なにぃ、忍術も使えるのか?」
「それだけじゃないよ。」
ブラックサンタひろは、体力の戻らないリーにさらなる追い討ちを仕掛ける。
「高速酔拳。これが高速八卦掌。これは高速蟷螂拳。高速木人拳。」
全ての奥義がリーの身体に打ち込まれた。
完敗だ。
サンタクロース・リーは意識が朦朧としていた。
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