100歳のトムテ

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 ベッドに横になったニコはすぐに目を閉じて。 「ボッボ、そこにいるのかい?」  と突然口を開いた。  どうしてわかるの?!  もう見えるわけがないのに?  細かい皺が刻まれたすっかりおじいさんになってしまったニコのベッドの横に立ち、彼を見下ろした。  ニコはずっと僕のことを覚えててくれたんだね。  そっと頬に手を触れたら、ニコが小さく目を開いて。 「ああ、ボッボ。君に会いたかったよ」  笑って僕の顔を見ている。  どうして、ニコには僕が見えているのだろう?  ニコの目はまるで赤ちゃんの目にようにキラキラと光って見えて。  それがなぜだか僕は悲しくなった。
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