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ニコは何が悲しいのだろう?
オギャァオギャァ、とベビーベッドの中、天井を見上げて泣いているニコを覗き込んだ。
金色のふわふわした髪の毛、青い瞳、桃色のほっぺた。
ちっちゃな手をグーにしてバタバタ動いてた。
可愛い生き物だ。
ちょこんと、そのほっぺたをつついたら不思議なことにニコが泣き止んで僕の方を見た。
人間には僕が見えないはず?
だけどニコは僕の目をじっと見つめているから、ためしにベロベロバァッと舌を出してみた。
その瞬間、声をあげてニコは笑い出した。
見えている!! 僕が見えているんだ!!
なんだか、とても嬉しくなって僕はニコの前で踊ったり歌ったり。
ニコはそれを見てケタケタとよく笑い、その内笑い疲れて眠ってしまった。
スヤスヤ眠るその顔は微笑んだまま。
何て愛らしいんだろう。
羊の赤ちゃんも可愛いけれど、人間の赤ちゃんも可愛いものだ。
僕はウットリとその寝顔を見届けてから、馬の世話に戻った。
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