アトム・タイム

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「え?」  何を言われたのか、いきなり過ぎてよく理解できず、志水くんを凝視する。入社してから約三年経つけれど、彼をこんなに間近で見たのは始めてだった。整った顔の彼をじっと見つめていると、右サイドに流した長い前髪から覗く、真剣な目で見つめ返された。 「俺ね、趣味でゲームアプリ作ってるんだ。デザイン画やってくれない?」 「は?」 「□□とか、俺が作ったんだけど。知ってるかな? いや、知らないか。ゲームしないんだよね?」  それは、かなり有名なアプリの名前だった。 「それって、趣味の域を超えてませんか……?」 「いや、最初はほんとう趣味だったんだけど。顔だけは広いから、何か技術職で携わってくれる人達が増えて、デカくなっちゃった」  志水くんはそう言って笑いながら「何か飲む?」と休憩室の自動販売機にお金を入れながら、振り返った。
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