薫センセイ、結婚するってよ

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「薫、ごめ〜ん 遅くなった」 「あっ、祥子!やっと来た〜」 「おめでとう〜ってか、全然知らなかったよ〜」 「ありがと。うん、私も驚いてる」 「薫も年貢の納め時か」 「古っ」 今日は、同期の婦人科医である結城薫の結婚披露パーティー 形式的なやつじゃなく、仲間うちのお祝いみたいな? しかも、仕事が終わらず、すでに3次会。 救命救急は時間が読めないので、こういう時に困る 「祥子、待ってたよ!何飲む?」 「じゃ、ウーロン茶」 「え?お祝いなんだから一杯くらい飲んでよ」 「じゃぁ、梅酒で」 「素直でよろしい」 「これ、お祝いね。」 「ありがとう」 「ゆきと一緒に選んだから大丈夫だと思う」 「うん、祥子のセンスじゃなければ大丈夫だね、ふふ」 「・・・酷っ」 「ゆきちゃん、元気?」 「おかげさまで。その節はお世話になりました」 「どういたしまして。。良かったね、いろいろ」 「うん」 「ねぇ、もしも。。仮にね?」 「ん?」 「もしも、細胞診の結果、悪性だったらどうしてた?」 「その時は、嫌がられても、ずっとそばにいるつもりだったよ」 「そっか。じゃ、どっちにしろ元サヤだったんだね。うん、良い方の結果で良かった」 「あの〜お邪魔しても?」 後ろから声がして振り向いたら、そこに。 「あ、いたの?」 「え〜一応、主役の1人なのにな」 「あ、祥子、これが旦那」 「え?はじめまして、この度はおめでとうございます」 「ありがとうございます。あ、祥子さんですね!お会いしたかったです。わたくし、こういうもので」 名刺を渡される 「はぁ」 「あ、今日はお相手の方はおみえにならないんですか?」 「はい?」 「ゆきちゃんなら、今日は来れないって」 「そーか、残念。あ、ちょっと呼ばれたので失礼します。ごゆっくり」 「なんだか、腰の低い人だね」 率直な感想を伝える 「ふふ、意外でしょ?」 「でも、いい顔してる」 「え?イケメンじゃないよ」 「違うよ、薫が」 「そう?ありがと」 ふと、貰った名刺を見る 「え?編集者..なの?」 「そう、出版社勤務」 「へぇ......まさか...ホントに書く気じゃ?そういえばお相手がどうのって..ちょっとウチらのこと話したの?」 「守秘義務に触れることは話してないよ」 「触れないことは話してんじゃん」 「ハッピーエンドで良かったね!ふふっ」 「薫っ」 「何?」 「やっぱりこの恋は、最後の恋だと思う」 「そっか」 「薫もだよね?」 「え?」 「恋多き女の薫が、結婚かぁ。ふふ」 「そうだね、最後の恋だね」
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