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大家さんは剛の部屋に入ると、床の掃除を始めた。
僕はあの狭いクローゼットの中で息を潜めていた。
「何これ」
突然大家さんは大きな声をあげた。
「これ猫のトイレじゃないの。またこんなところに猫の缶詰が。まさか山田さん、猫なんか飼ってるんじゃないだろうね」
一旦大きな声をあげたものの、すぐ冷戦になり何やらそうブツブツ独り言を言っていた。
万事急須だった。
それでも僕は
【今クローゼットから出ちゃダメだ】
と言い聞かせ、その場を何とかやり過ごした。
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