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誘惑に抗えずTwitterを開くと、ちょうど兄あに兄さんが更新したところだった。
「自分で机に向かえるようになるなんて、成長したんだな…」
おっ!もしや、この人の弟のところもテスト期間か?それで勉強してたと?
それにしても、机に向かうだけで感心されるとか、弟クン普段どんな生活してんだよwwww
ふぁぼってからTLを更新すると、兄あに兄さんはまた呟いたようだった。
「頑張れ、弟」
わぁ、優しいな…(♡&RT)
字数にしてたったの5文字。俺に向けて言われた言葉ではないけど、読んでいてこっちまで、心が温かくなった。
飾らないエールが非常に尊いといいますか…優しく背中を押すような感じがあると言いますか……!!
これは弟くん、勉強捗ること間違いなしだろwww
うちの兄貴も、これを見習って……くれなくても良いか、今回ばかりは。
「無理すんじゃねえぞ」だって、少し口調は荒いけど、実はちょっとだけ染みたし。ちょっとだけやる気出たし。悔しいから、ほんのちょっとだけだけど。
眠気も覚めたので、もう一度単語帳を開く。
3ページほど覚えた後、スマホを開くと、爽からLINEが届いていた。
『熱田君がカバンの底から日本史の課題を発掘して顔面蒼白になってたんだけど、景明は大丈夫そう?』
エ?カダイ…?ナニソレ、オイシイノ???
急いでリュックの中をガサゴソすると、底からシワクチャになったプリント。そこには、日本史のテスト範囲と、テスト当日までの課題の内容が書いてあった。
ちょwwwまってwwwwワーク30ページもあるんだがwwwwwww
あんのホスト教師(と言う名の我らが担任・銀野ティーチャー)めwwwwwホストが出して良い課題量じゃねえだろwwwww
…などと申したい気持ちはあるが、文句を言っても課題の量は減らない。やるしかない。
校内ライブを約束した史弦と譜唄のためにも、軽音部の未来のためにも、そして勉強を教えてくれた爽や彗誠のためにも、赤点だけは取るわけにはいかないんだッ!(集中線)
それに、兄貴が天才型じゃなくて努力型だっていうのなら、同じ血が流れている俺にだって、頑張れば出来るようになるポテンシャルはあるはずなんだッ!(と信じたい)
ある程度課題を捌き、1時を過ぎた頃、睡眠時間をそれなりに取れという兄貴の言葉が脳裏によぎった。
問題集を閉じて、ベッドにダイブ。
テスト期間中、今日のように勉強会をして、自分でも課題を捌いてという生活を続けた結果……
「祝wwww全科目赤点回避wwwwww」
テスト2日後、テストの点数と順位の書かれた成績表が返ってきた。
採点スピードの速さに驚かされるが、その理由は、我が校が自動採点システム及び、それに紐づけられた順位偏差値計算・成績表作成システム『働き方かいかクン』を導入しているからである。
数年前、数学の先生と情報の先生が、あまりの採点のダルさにブチ切れて『働き方かいかクン』を開発したらしい。
その先生達、就職先学校で合ってそ?w IT系の会社行かなくてよかったの?ww
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