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「陸ぅ…!」
隣で聞いていた空が、嬉しそうに頬を染めて、陸に抱き着いた。
さっきの元気のない目は、もうカケラもない。
って、うおおおおおお!!!!wwwwwww
マジで双子BL展開キタコレじゃねえか!!!!wwwwwwwww
陸は、「どうしたのー?えへへー」なんて言いながら双子弟の頭をわしゃわしゃ撫でている。
なんだよ!可愛いかよ!wwwwもっとやれ!!!!wwww
つーか、こうやって見ると、やっぱり陸がお兄ちゃんなのな、双子だけどwww
……それにしても…マジやばい…この光景が天国すぎて……写真撮りたいし動画回したい!!!!!
いや待て、抑えろ俺……!変な行為をして、この天国図を崩す訳には…………
「いや、やっぱ我慢できん!今の状態、写真撮ってもよき!?後で送るから!記念に送るからッ!!!」
「「えー…?」」
「ア…」
双子がきょとんとしてこちらを見ている。双子弟を撫でていた陸の手も、驚きのせいで引っ込められてしまった。
腐男子としたことが…双子BLの邪魔をしてしまった…ッ!!
思わず、心の中で悔しみ地団駄を踏む。
しかし、目の前の双子はしばらく互いに目を合わせた後、そんな俺のことを知ってか知らずか、言った。
「僕達のこと、」
「撮るんだったらー、」
「「とびきりカッコよく撮ってよねー!」」
そう言って、抱き合ったまま満面の笑みを浮かべ、目線をこちらに向ける双子弟と陸。
許可が、出た…だと…!?wwwwww
俺は、喜びのままにスマホを構えた。
そして、何枚か撮った後、「こんな感じで如何でせう…!?wwww」と、2人に写真を見せる
「結構良いんじゃない?陸、可愛い!」
「空の方が可愛いよー!すごく良い感じー!」
そんなことを言いながらきゃっきゃと笑う双子。
わあ…パクス=ロマーナだぁ…!!
あまりの尊さに、眼前にお花畑が広がった。
そこにある川の向こうで、死んだはずのじいちゃんがこっちを見ている。すげえ、なんで?
「景明、お前何でこんなとこ来ちょーや!?一億年と二千年早いわね!あっち行け!しっしっ」
ちょwww完全にケモノを追い払うしぐさやんけwwwwじいちゃん酷え、久しぶりに会えたのに……って、ハッ!
もしかして:三途の川
っぶねえwwwwww双子のあまりの尊さに、昇天しかけてたわwwww
ごめんじいちゃん!疑ってごめん。じいちゃんは昔から優しかったよね。
「ワシんとこ来ても、何も出んわね!」とか言いながら手作りプリン出してくれたり、お小遣いくれたり。
「孫達にメロメロのワシじゃないんだけんね!」とか言いながら、撫でてくれたり、「可愛い」って言ってくれたり、遊びに連れてってくれたり…。よく一緒に行った釣り堀と水族館、まだちゃんと覚えてるよ。
「あっち行け」っていうのは俺を生かす為の、じいちゃんなりの優しさだよね。ツンデレを超えたツン甘だもんね、じいちゃん。ありがとう、じいちゃん。
昔から甘々なじいちゃんに感謝しながら、俺は魂を取り戻した。
そして、メッセージアプリで陸に写真を送った後、双子と別れてお茶を買い、寮の爽&熱田ルームに戻ったのだった。
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