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「おかえり。…って、あれ?なんか、表情だらしないけど、どうしたの?」
帰ってきた俺に、爽が不思議そうに言った。
先程天国から帰ってきた俺は、夢見心地な感じで言う。
「爽…双子のイチャイチャって、人心を清らかにするんだな……」
「双子の…イチャイチャだって…!?」
爽はガタリと音が立ちそうなほど、勢いよく立ち上がった。
「さっき廊下で双子弟と陸に会ってさー。抱き合ってイチャイチャしてた。」
「何だいその素晴らしいイベントはっ!?絶対可愛いじゃないか!!
というか、君は1人でそれ見てたの!?ズルすぎるッ!呼んでよ!2人を邪魔しないように忍びの如き静かな駆け足で現場に駆けつけたのに…!!」
悔しそうに拳を握り締める爽に、本当に謎に罪悪感を感じる。よくよく考えたら、俺1ミリも悪くないと思うけど。
「ごめんて……写真見る?」
「見るに決まってるじゃないか!」
一旦元の席に座り、スマホの写真を見せれば、爽は「あっ、最高…これは本当に癒されるね…」と言ってゲンドウポーズ。
……てか、今更だけど…「呼んでよ!」と言って責めてきたり、忍びの如き静かな駆け足で駆けつけるとか言ったり…爽ってそこそこヤバくないか…?wwww
「なあ、彗誠。景明と爽は、何の科目の勉強してるんだ?」
爽と写真を眺めていると、王道転校生のそんな声が耳に入ってきた。
「あれは勉強していない。放っておけ。…それより日野。木曽の最期のプリントの問題、全問正解だ。」
「え、本当か?やった!彗誠のおかげだ、ありがとな!」
「…いや、別に。…お前がちゃんと勉強したからだろ。」
「でも、おれ1人だったら絶対諦めてた!彗誠が教えてくれたから頑張れたんだ!だから、ありがとう!」
「…………ああ。…それより、次、数学だ。」
「おう!よろしくな、彗誠!」
ニッカニカの笑顔で礼を言われた彗誠氏。本当にうっっっっすらとだが、耳が赤い。
おーっと!?これは照れてる?照れてるよね!?
俺も王道転校生相手に照れたことあるから気持ち分からんでもないけど、これは照れるよね?!?!
奥様!!!うちの彗誠がデレましたわ!!!!ついに王道転校生相手にデレましたわよ!!!!!!!
「これは素晴らしき事態ですね、爽サン…www彗誠氏が王道くんにデレましたわよ!!」
「いや、由々しき事態なんじゃないかな、景明クン……。僕、岡君×景明が推しカプなんだよね。
景明は総受け属性があるから他の人と絡んでても全然良いと思うんだけど、岡君が景明以外を好きなのはちょっと解釈違いというかなんというか……」
「ちょwwww彗誠に好きな人を好きになる自由を与えろしwwwwwあと俺絡みのカップリングやめれwwwwつーか、なんで俺が受けだしww」
「…じゃあさ、逆に聞くけど……腐男子、美人系、陽気、優しい、しかし残念。…この属性全てを持つ人は攻めだと思う?受けだと思う?」
「え?…受け…?」
「そうだ、そうだ、つまりきみはそんなやつなんだよ。」
「は?どういうこと?wwww」
てか、質問に質問を返すなwwwwwエーミールやめろwwwww
「……いや、お前らいつになったら勉強すんだよ!」
熱田、ナイスツッコミである。
その後、粛々とお勉強(時々BL談義)しながら過ごし、7時くらいに熱田&爽ルームを出た。
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