テストですと…!?

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*  俺と彗誠の部屋に戻ると、彗誠は勉強道具を置いた後食堂に行き、夕食をもらって帰ってきた。 「いただきます。」 「いただきマッスル!」  2人して合掌し、ご飯を食べる。…つっても、俺はカップ麺だけど……。 「ひっさびさに勉強したわww知恵熱出そう…www」 「……」  世間話程度にそう言うと、彗誠は箸を止め、じっと俺を見た。 「え?どした?…あ、もしや歯に青ネギついてる!?www」 「いや。」  そう言って、視線は逸らされた。黙々と食べるその様子に、少し、不機嫌の気配を感じる。 「…なあ彗誠サン、なんか怒ってる?」 「別に。……ただ、随分楽しそうだったなと。」  楽しそう…?  …話の流れ的に、みんなで勉強してた時のことだよな?  俺は爽と勉強をしていた訳だが、それを見て「楽しそう」だと不機嫌になっているのか?  ハッ!これはもしやもしや! 「彗誠サン、拗ねてる?!嫉妬してんの!?」 「うるさい」  …違うって、言わなかったぞ!?wwww  つまるところ、拗ねてんのも嫉妬してんのも本当のこと!  そして、爽が俺と楽しく勉強するのが嫌=爽が好きっていうコト!?!?!wwww 【大朗報】彗誠に 恋愛腐ラグ 立ちにけり!!! 「爽のことが好きなら、応援するぞ!!www」 「違う」  俺の言葉を、彗誠はピシャリと跳ね除けた。  全くもう、素直じゃないなwww  ツンデレオカンで困っちゃうwww 「そんな照れんなってwwwwこの親友兼腐男子の影山に任セロリ!!」  俺がそう言うと、彗誠は静かに箸を置き、何かを訴えるように強い目で、俺を見た。 「お前にそう言われるのは、我慢ならん。」 「え、……?」  その声が、あまりにも拒否感に満ちていたから、驚いてしまった。  何で彗誠、こんなに怒ってんの?……まさか、考えたくはないけど、俺なんかに応援されるのは癪に触るとか……?  親友って言葉、彗誠はよく否定してくるけど、内心はそこそこ俺のこと認めてくれてるのかなって思っていた。…けど、それは俺の勘違いだったのだろうか?  ツキンと胸が痛み、少し息が苦しくなった。まさか、そこまで彗誠に嫌われてるなんて…… 「…はぁ。…本当に、勘違いしかしないな、お前は。」 「ごめん…」 「俺が不快なのは、水川が好きだからでも、お前が嫌いだからでもない。」 「え?」  嫌いだからじゃない…。じゃあ、なんで?  頭の中はハテナだらけ。でも、その言葉に、じんわりと嬉しみが広がった。  と、その時だった。  彗誠の右手が、俺の顎に触れたのだ。  何事?と思う間も無く、彗誠の顔が近づいて来る。そして、唇に温もり。  あ、アジフライのタルタルソースの風味。  そんなことを考えてしまった。………って、え?は!?ちょ、ちょっと待って!?!?  ここ、これって、よく考えなくても、キキキ、キ……  というやり取りが、今頃、景明達の部屋で行われていると良いなぁ…。 「は?」  ソファに寝転がりながら、今の景明達の様子を想像していると、そんな声が耳に飛び込んできて、現実に引き戻された。  上体を起こして声のした方を見ると、熱田君。僕を見てポカンとしている。  お風呂から上がったらしい。  部屋着姿で、髪の毛が少し湿っている。ドライヤー使わないで、湯冷めしないんだろうか。風邪を引かなければ良いけど。  それにしても、僕を見てそんな顔をするなんて。一体どうしたというのだろう? 「どうしたのさ、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして。今日一日、頭をフル稼働させて疲れが出たのかい?」 「いや、それはこっちの台詞だ。影山みたいなことを言って…」 「え?」  ちょっと熱田君が何を言っているのか分からず、少し考えてしまった。そして、一つの結論に至る。 「あれ?もしかして、想像が口に出ちゃっていたかな?」 「自覚なしかよ!?…しかもそれ、実際あったことじゃなくて、全部お前の頭の中で考えたことだったんだろ?影山以上の変態じゃねえか!もはや(こえ)えわ!」  心外だなあ、変態だなんて。ちょっと想像力が豊かなだけじゃないか。
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