テストですと…!?

19/21
前へ
/271ページ
次へ
 感覚派の兄貴にちょっとキレかけたが、ふと気になった。  兄貴って、大学では数学の先生になる勉強していたはず。それなのに、1番得意なのは英語なのは何故なのか? 「兄貴、数学が1番得意なんじゃなかったの?」 『数学は…元々は、1番苦手だったな。中学の時なんか、数学だけいつも平均より下だった。』 「ええ?!じゃあなんで、数学の先生になろうとしてんの?てか、俺が中学生の頃、兄貴に教わった中では数学が1番分かりやすかった気がするんだけど…」 『…むしろ、苦手を得意に出来たからかもしれねえな。ここが分からないんだろうなって、教えながら分かるんだよ。…現に、お前がコケてたところ、全部中学時代に俺もコケたところだった。』  知らなかった…。兄貴、数学苦手だったんだ。しかも、俺と同じようなところでコケていただと…?  てっきり、兄貴は全部の教科が元々得意で、その中でも数学が1番好きなんだと思っていた。  そうじゃなかったのか…! 「兄貴はなんで数学得意になったんだ?」 『そりゃ、勉強したからな。高校入ってから、数学の勉強量増やしたんだよ。』 「高校入ってから?なんで勉強量増やしたんだ?」 『それは、お前n……』 「え?俺?」 『……おおおお前に、じ、自慢できるくらい!良い大学に行くために決まってんだろ!べ、別にお前に勉強教えられるように自分も勉強し直したとか、そんなんじゃないからな!勘違いすんなよ!』 「いや、そんな勘違いしねえけどwwww」  まあでも確かに、兄貴の行ってる大学は国立だし、すごいなと思う。  それに、実家にいた頃、トイレや夜食で夜遅くに廊下を通ると、兄貴の部屋からはいつも明かりが漏れ出ていた気がする。  百合本でも読んで夜ふかししてんだなと決めつけていたが、もしかして、勉強してたんだろうか。  今まで、兄貴は元々頭が良くて何でも出来て、その延長線上に大学進学があったんだと思っていた。  でも、それが努力の賜物だったとしたら……  …ちょっとだけ…。悔しいから、ほんのちょっとだけ、兄貴のことをすごいと思う気持ちが大きくなった。  悔しいから、絶対に言ってやらないけど。 『…勉強中だったんだよな。邪魔したな。』 「別に…眠気覚ましになったし。」 『そうか。…勉強は大事だし、実際お前はもっと勉強した方が良いと思うけど』 「おいwww失礼だなwwww」 『…普段勉強しないのは事実じゃねえか』 「それはそうwww」 『…まあ、けど…無理すんじゃねえぞ。睡眠時間はそれなりに取れ。布団はかぶって寝ろよ。…じゃあ、切るわ。』 「おう。またな、兄貴。」 『…またな、バ景明。』  こうして、電話を終えた。  さて、電話を終えてからすることといえば、いつもならTwitterである。  しかし、今はテスト期間。そんな怠惰なことする訳ナシゴレンナシゴレンwwwwww  いや、本当少しだけ。少しだけしかしねえからッ!!
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1282人が本棚に入れています
本棚に追加