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家への帰り道、真由美にばったりと出会った。
当然、立ち話になる。
「ねえ、ほのか、聞いた?」
「え? なになに?」
女ともだちにそう訊かれれば、当然興味を持たないわけにはいかない。
ちなみに、〈ほのか〉というのがあたしの名前。フルネームは〈漸年寺ほのか〉と、ちょっとむつかしい。
真由美はあたしの問いかけにすぐさま答えた。
「結衣が、またカレシと別れたんだって」
「ええーっ? またあ?」
あたしは、これも女ともだち特有の五割増しの驚きかたをして見せる。でも、演技しているほどには驚いていない。とにかく、結衣については、本当にもう「また」のことなのだから。
「そうなのよ。それも、また結衣のほうからフッたんだって」
「どうなってるのかしらね。あたしは会ったことないけど、いい人らしいじゃない、そのカレシ」
「いい人よぉ。年下の、なかなかのイケメンでさ」
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