社長の秘書は鉄の女

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特に大学にもたらされた求人ではなく、一般の求人サイトで突然募集がかかった案件だ。 こんなタイミングは滅多になく、なおかつこんな場所で働けたら素敵だよなあというアルバイト感覚に似た単純な理由でとりあえずエントリーしたのだが、もちろん一花はただの勢いでエントリーしただけなのでこの会社の企業情報や将来性のことなど何も考えてはいなかった。 当然エントリーシートはコピペで使い回し、本当に、疲れていたのか、一花のただの気まぐれだったのか、エントリーしたことさえ忘れてしまった状態だった。 それがまさか最終面接までいき内定がもらえるだなんて、当の本人が一番驚いたものだ。 さらに驚いたのは仕事内容だ。 募集職種は受付事務。 “事務”とつくからには当然事務作業が主だとばかり思っていた一花だったが、企業の顔ともいうべき受付に一花は座ることになり大変驚いた。 愛想がいいわけでもなく特別綺麗なわけでもないのに、何を評価されたのだろうか。真相はまったくわからないが、確かに応募したのは“受付”事務であったことは否めず、納得はいかないものの与えられた業務は確実にこなす日々を送っていた。
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