プロローグ

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プロローグ

うぁぁぁぁぁぁん僕は、泣いていた うぁぁぁぁうっぐ、ぐすうぁぁぁぁ僕は、泣いてた うぁぁぁぁぁぁん 僕は、泣いていた 僕の泣き声が雑踏の中に掠れて消えていく。 コツコツとピンヒールの音が近づいてくる。 『僕何で泣いてるの?』 お姉さんはしゃがみ込むと僕の頬から流れる涙を親指で拭う その時にママに似た香りが僕を包む。 『お姉ちゃんがいなくなったの』 『男の子は泣いちゃだめ』 『それは、男女差別って言うんだよお姉さん』 涙だ拭った指を開広げ僕の頬を覆う。 『僕は、難しい言葉してってるんだね』 そしてくすくすと暖かく微笑む。 『男の子が泣いて良いのは3つの法則の時だけだよ』 三本の指を立てるとひと一つひと一つ説明しだした。 『まず、親が死んだ時、それから親族死んだときあとは、大切な人の為にかなそれから私は、身も心も強い男の子が好きだから今は、泣き止んでね』 最後の一つの意味が未だ僕には、答えが出ずにいる。 そろそろ泣く事をやめることにした。 『うぐ・・・ぐすん・・・分かった』 『物分りがいい子も好きよ』 僕の髪を優しいく撫で、前髪をかきあげる。 不意にママの事が頭に浮かぶ、 僕を優しいく抱きしめてくれたり、 髪を触ってくれたり頭を撫でてくれたり、 僕の中で何かが溶けだし決壊して行くようだった気持ちが溢れだし収集がつかなくりまた泣いた。 『あれあれどうしたのなんで泣いてるの?おかしいなさっき泣き止んでくれたのに私何か悪い事した?』 あたふたと慌て困った顔で僕を見つめる瞳が僕みたいに 瞳を潤わせ今にも泣きそうだった。 遠くから見ていた人々がヒソヒソと女性を雑言する声が漏れる。 僕を助けに来てくたお姉さんなのにとても酷い事をしてしまい後々考えると、心苦しく居た堪れない気持ちなる。 『あの大丈夫ですか?』 野太い声でお姉さんの後ろから声を掛ける。 『僕大丈夫?』 若い男性が僕の目線に合わせてしゃがみ声を掛ける。 お姉さんが立ち上がると事の経緯を野太い声の人に説明しているがその声は、微かに聞こえ僕の泣き声に埋もれて消えていく。 若い男性が懐からミニタオルを出し頬に当て涙を拭う。 『僕、何かされたの?』 首を振る。 『お姉ちゃんがいなくなったの』 『迷子って事でいいのかな?』 頷きお兄さんの顔を見るとお巡りさんが僕に優しいく微笑かけてくれていた。 『そっかぁでもお姉さんに泣かされてるみたいに見えたんだけど大丈夫?』 野太い声の屈強な男性のお巡りさんが若い男性のお巡りさんに強い口調で窘める。 『おい!!なんの根拠もないのに主観で迂闊な発言はするな。 すみません、お手数ですが交番迄ご同行頂けますでしょうか?』 若いお巡りさんが不機嫌にブー垂れ僕にも同じ事を言いうと 交番に連行され交番で再び経緯を詳細に求められる。 10分後.........。 『それでママの事思い出したら涙が止まらなくなって』 そしたらまた、涙が溢れ出しそうになる。 下唇を噛んで我慢する、ここで泣いたらまたお姉さんや お巡りさんに迷惑掛けちゃう だけど声とは、裏腹に涙が頬を濡らし零れて滴り落ちる。 それを見ていたお姉さんが僕を優しいく抱きしめてくれた。 『ごめんねさっきは、偉そな事言ってそう言う時は、泣いても良いんだよ。我慢しなくていいんだよ。』 抱きしめられた瞬間ママと同じ香りが僕を包み込む何だか逆に安心して悲しい気持ちが鎮静化された 交番にいる誰もが涙ぐんでいるのを子供心に奇妙か感覚を覚えた。 そこに切り裂く声が割って入る。 『弟が弟がいないんです。どこを探しても・・・あ!!』 若いお姉さんに抱きしめられながらお姉ちゃんと目が合う。 『恋君(レン)いたぁぁぁぁぁぁぁ』 茶髪のJKが僕をみるなり交番の入り口で叫ぶ。 『恋君心配したよぉぉぉどこ行ってたのぉぉぉぉ お姉ちゃん泣きそうだったよそれでこちらのお姉さんは、 どなたなのでしょうか?』 チラチラと僕を抱きしめていたお姉さんを目配せしお巡りさんに説明を委ねる。 屈強なお巡りさんが僕とお姉さんを連れてきた事の経緯を説明会するそして何故迷子になったかという聴取しだした。 お姉ちゃんは、 誰とも目を合わさず申し訳無さそうに説明する。 『いや・・・その、中学の友達と駅前でバッタリ会いましてそれで恋君いるの忘れて歩きながら話し込んでいたら 恋君がいない事に気がついてもとの場所に戻ったんですよ。そしたらもう居なくて友達にも探し回って貰ったんです。それでもう・・・』 交番にいる大人達が呆れて掛ける言葉すら見つから無い 屈強なお巡りさんが記入用紙の記入欄を指さしお姉ちゃんに記入を求める。 お姉さんがカバンの中を物色し、中からアニメキャラクターのキーホルダー出すと僕がたすき掛けしていた ミニポーチのベルトを通している金具に付けてくれた。 『次に、迷子に成ったらカバンに着いてる方のコレを引っこ抜いてねそしたら警察の人が恋君を助けに来てくれるから。』 僕の目元をハンカチで再び拭うと耳元で囁く 『お姉ちゃんは、おっちょこちょいで天然さんだからまた、置き去りにされそうになった着いてくんだよ』 僕は、何回も頷く 『だから恋君がしっかりしてお姉ちゃんを守ってあげてね』 両腕をぽんぽんと小気味よく2回優しいく叩く とお姉さんは、交番のお巡りさんに一礼し外の日差しの光の中に消えていった。 その後、 お姉ちゃんがお巡りさんにこってり絞られた事は言う迄もない
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