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救命処置
バンとかん高い音が響き周りの目を引く
その音で美優の友達も我に戻る
一番最初に声をかけて来たロングヘアの美優の友達だった
『何か出来る事ある。私は、沙織』
頭が混乱しながらも整理して口を開いた
『えっとえっとハサミ毛布そして、ひも状な物』
頬から滴り落ちる涙にも目もくれず大きな声で叫ぶ
『誰かハサミと毛布それからひも状な物あったら下さいあと、ありったけの布』
『私、保健室から
消毒液と毛布取ってくる後、先生も呼んでくる』
美優の友達の小さい子がものすごい勢いで走りさる
『私は、なにしたらいい?』
同じく美優の友達のおさげの娘(コ)が俺に声を掛ける
『美優に話しかけて意識失わせないでくれ』
『わかった』
近くにいた男子がテーピングを差し出す
『彼氏これ使えるか』
『使えますありがとうございます。』
『頑張ってくれ美優ちゃん助けくれ頼む』
『はい』
最初に声を掛けてくれた美優の友達、沙織が僕の横に付く
『使えそうな物あったら私に集めて下さーーーい』
大きく声を貼り叫ぶ
それを聞くと周りにいた生徒たちがハンカチや
スポーツタオル、ミニタオルなどが次々と集まって来る
『最初は止血しないと』
黒髪ロングヘアの女性が駆け寄る
『沙織コレ使えるかな』
布裁断用のハサミを取り出し沙織に手渡す
『大きいハサミ助かるよありがとう』
『美優大丈夫かな?』
『舞がハサミ持ってきてくれたからきっと大丈夫』
『はい恋君ハサミきたよ』
ハサミを渡される
『ごめんね美優少し痛むかも』
『はあっうはぁはぁ』
ナイフの柄を慎重に掴み抑え
ナイフと設置してる部分の服をハサミで小さく四角に切り離す
ナイフと美優の服の間に微妙な隙間から血がどんどん溢れ背中に広がり滴り落ちる
ナイフと美優の服の間にハンカチやミニタオルを間にいれ
高さをととのえ噛ませる
大きくテーピングでナイフの対極線上貼り逆になる対極線上貼リナイフを固定する
そうこうしてると、さっき走っていった子が戻ってくる。
『手を貸して下さい!!!』
恋が再び大きな声で人を集める。
数名の男性で美優を持ち上げ下に敷いていた俺のジャケットを引き抜き毛布を下に敷く両端を美優に巻き付ける。
複数の男性を払いのけ保険の先生が来た
美優の腰を捲りあげ保健の先生と処置にあたる
『コレ1人でしたの?』
凄いなこの子的確に処置されてるナイフも抜いてない。
『私のする事何かある?』
『美優の露出して所にタオル切って当ててくれると助かります』
スポーツタオルを美優の腰に当て幅を図る測った場所を示す
『悪いここ切って』
示された部分を沙織が切り落とす。
何人かの野球部員かが予備のベルトを繋ぎ合わせて持ってきた。
『これだとひも状になるよね』
『ありがとう助かる恋君さっき言ってたひも状な物来たよ』
『助かりますコレが1番心配だった先生そっちもって』
美優お腹下にベルトを滑りこませて引っ張って貰う美優の腰に服をかませてベルトで引き絞る
もう一方には服が無いので先程指示してたタオルを何枚か
噛ませる。そして先程したように繰り返し同じ事をする。
遠くの方から救急車のサイレンが聞こえやっと到着する。
毛布のまま美優をストレッチャーに乗せて救急車に運び込まれる
それを見て一緒に乗り込む際にジャケットを拾う
さっき手伝ってくれた保健の先生も乗車した。
美優の手を取り話し掛ける
『大丈夫だから絶対大丈夫だから』
まるで自分に言い聞かせてるようだった。
『恋……コレで……元カノ……消せるかな?』
『頭の中美優で一杯だよ』
美優の頬に手当てる
お願いだよママ、凪ちゃん 美優をつれて行かないでくれ
俺、美優がいなくなるなんて嫌だよ
病院に付くとそのまま搬送され医者が先生に両親を呼ぶよう指示した。
緊急手術が執り行われる
その後美優のママさんが到着した。
俺は、顔お合わせられずに頭下げる事しが出来なかった。
そんな僕の髪をママさんが髪を片手でわしゃわしゃと無でる
『顔上げて何が合ったか説明して。』
手術室入口のベンチソファーに座り
先程起こった出来事を伝える。
『そっかじゃ美優に降りかかった事を払ってくれたんだね
そして美優の為に尽力してくれたんだね。ありがとう』
『でも俺…………』
横で話してる恋の頭を自分に引き寄せる。
『大丈夫だから美優は、粘り強いから恋君を1人にさせない
だから大丈夫信じてうちの娘を』
『はい』そう言ってまた、涙が止まらず泣いた
大丈夫……大丈夫……絶対大丈夫
2時間程して手術が終わる。
奥から美優が出てくるそれに安堵した。
美優の傍に駆け寄る美優のママさん。
医者が俺を見つけると話しかけに来た。
『いゃぁ君の処置良かったよ助かったありがとう』
その言葉で今まで張り詰めてた糸が切れた
美優が助かった事を確信する。
『ありがとうございました。』
深々と頭を下げて美優を救ってくれた事に感謝する。
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