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現実からリアルに
ヴゥゥゥ ヴゥゥゥ ヴゥゥゥゥ
ポケットの中に入ってたスマホが震える。
『やっば』
確認するまでも無く悠人だろうと思い無視する。
恍惚から無理矢理現実に戻された気分だ
急いで校門に戻ると案の定校門は、閉まっている。
仕方ないので校門の脇の塀を登る事にして飛び降りる。
その一部始終を生徒指導の先生に見つかる
『おい貴様、今塀乗り越えなかったか?お前は秋月 恋か?』
やっやばっ生徒指導の酒井だまずい非常にマズイ
『とりあえずこっちに来い』手招きする酒井。
渋々酒井に連れられ生徒指導室に連行される。
生徒指導室に入れられる。
空いてるソファーに無遠慮に座る
『それでなんで遅刻したんたんだ正直に話せ』
どうしよう本当に正直に話して大丈夫なんだろうか?
嫌々、待て待てマズイいに決まってる。
他校の女の子とイチャコラしてて遅刻した
何て言ったら目も当てられない
そして何より僕のメンタルが持たない。
暫(シバラ)く考え込むと
漸(ヨウヤ)く考えが纏(マト)め重くなった口を開き喋りだす。
『えっと付き合ってる彼女がいまして』
酒井先生は、目をぱちくりさせる。
『は?誰が彼女の話ししろと言ったお前頭大丈夫か?』
顬(コメカミ)の辺りを指で抑え本題にもどす。
『いやだからそれが原因なんですよ』
酒井先生がジト目で僕を見ながら手のひらを前に振り早く話せとジェスチャーする
『それで彼女が校門の前で僕を待ち伏せしていて
彼女も、学生なので学校に行って貰う為に宥めて学校へと
促し説得が終わり、 気が着いたら校門が閉まっていまして』
『でっそれを俺に信じろと?』
『嫌々待ってくださいよ事実ですから。嘘をついてるみたい言わないで下さいよ。そうだ桐谷、桐谷悠人もいました。
先に登校してますけど・・・』
酒井は、頭を抱えて深くため息ついて舌打ちする。
(酒井は、態度が悪いな)
『分かった初犯だしその彼女って奴にも言っとけ
次は、無いからかな』
『ありがとうございます。酒井先生』
少し大袈裟に喜んで見せ安堵する。
『しかし最近の生徒は、
進んでるんだな中3で彼女要るのか?』
『え?早い奴は中1からいますよ』
酒井先生は、再び目をぱちくりさせさらにフリーズした。
『俺も彼女欲しいな誰か紹介してくれ秋月 恋』
『先生、僕が紹介したら年齢的に罪に問われます』
『あっそうかいいなぁ彼女』
コレは、本音なんだろうか?まぁ先生という仕事は長時間労働だし有給も取得しづらく大変な職業だと思うが.......
『ちなみに先生何で僕のフルネーム分かるんですか?』
変な事を聞くなと訝(イブカ)しげな目をして僕を見て話す
『秋月ほんとぉぉぉにそれ!!マジで言ってんのか?』
『えっ名前の話しってそんなに変でした?』
『我が校始まって以来の全中空手個人種目2連覇の
秋月 恋さんを知らない先生は、いないだろうなっ鬼神 』
肩をぽんぽん叩く
『あの先生鬼神って言うの止めて貰えませんでしょうか?』
呆気に取られる何でこの子は、こんな事を言うのだろうと
『極王空手のポスターに乗ってたのにか?』
やばい超恥ずい顔から火が出そうだと
言うのは、こういう時に使う言葉なんだろうか?
『モデルはしましたが、僕より強い人は、沢山折りますので先程のあだ名は、止めてくれると助かります。』
『えーーー!!勿体ないかっこいいのに』
本当にのこの人先生か?友達と喋ってるみたいにフランク!!
そしてなにが勿体ないのか意味不明。
1時限目終了の予鈴が鳴ると生徒指導室から出て来る。
教室に入るなり悠人に捕まる。
教室に入ってくるのを待ち伏せしていたんだろうか?
入って来るなり背後から首に腕を回し抱きつく
『美優先輩超可愛いかったなぁぁぁぁぁな なぁぁ恋』
『抱きつくな!!動きづらい』
悠人をひっぺがし
鞄を机の横に引っ掛け教科書を鞄から出し机の中にいれる
『えーでも可愛いかったよなぁ美優先輩』
あまりにしつこいので一瞬Kissした時の温もりを思いだす。
照れ隠しに冷静を装いお座なりに返事するがすこし吃った
『あっあぁぁそうだな』
『なになに?そのタンパクな返事』
その話しを聞いていた発情期真っ只中の友達?知り合い?
『それで恋したの?』
ムクムクと机の下からニヤニヤしながら湧いて出てくる
山岡気持ちが悪すぎて寒気がした。
恥ずいのと早くこの話題を消し去りたくて嘘をつく
『路ちゅう何んて恥ずかしくて出来るか』
『なんだよ俺なら何処でもOKなのになぁ』
その話しを黒板を消しながら聞いていた
女子2人がツッコミを入れる
『山岡と!誰もキスしたいなんて思わないから安心しろ』
『ナン…ダッテ!?』
『何でちょっと驚いてるの?ウケるんですけど、キモオタ代表者の山岡と恋君比べたら月とアスファルトそれ以下かな』
人の話に勝手に割って入った来た罰だなコレは
けど少し可哀想に思えたのでフォローする
『それくらいにしてあげたら南さんに、真山さん』
南さんと真山さんが僕の顔を見て此処なしか嬉しそうな
表情を見せた気がした。気のせいかもだけど。
『恋君あの私の名前覚えてくれてるんだね』
『本当私の名前も覚えてくれてるなんて』
なんだろうか?クラスメイトなんだから人通り覚えてはいるのが当たり前では、なかろうか?
それとも僕を朴念仁だとでも?思われているのだろうか?
『えっ?やだなぁクラスメイトなんだからある程度は、覚えてるよ』
『それでも何か恋君とは、
住む世界が違う気がしてごっごめんなさい
そんなに親しく無いのに勝手に恋君とか言って』
なるほど空手以外に興味ないと思われていたのか・・・
仕方ないか。迷子に成て5歳から空手だけしかして来なかったし身も心強くなるんだって心ほうは、未だに酩酊状態
『大丈夫だよ
南さんが呼びやすいならそれで、それから気にして無いよ』
『じゃ私もそれでお願いしたいです。』
『うん真山さんもよろしくね。今更だけど』
本当に今更だあと、1ヶ月で卒業式なのに
クラスメイトの女子から下の名前で呼ばれるなんて。
それから2時間後.......。
3時限目…4時限目が終わりやっと昼がきた
『ない!!ない!!ないよぉぉうわぁぁぁぁマジか無いわ』
無い無いとカバンの中身を机にぶちまけて悠人が項垂れる。
『何が何いんだ悠人?』
顔面蒼白でムクリと僕の顔を見上げる。
『弁当』
『ぶっ』
『はっ!!なになに友達が弁当忘れたのに笑った?』
『わっ悪ぃちょっとウケた』
頭を抱えてオーバーリアクションで机でバタバタと・・・
羽ばたきそうだな?このまま飛ぶのか?
まぁ腹が減りすぎてある意味意識飛びそうなのは、わかる
仕方ないな今日は学食で食べてもいい気分だし
なるべく早くこの場から立ち去りたい。
先輩の件を根掘り葉掘り聞かれたくない。
『俺の弁当やるよ 今日は、食堂で食べるから』
『へっ?良いの?』
『だって悠人金ないだろ』
『まぁ無いね。』
目線を逸らし困った顔をする。
『それじゃ有難く頂戴いたします』
両手を合わせて頭を下げ申し訳なさそう弁当を受け取る。
『じゃ俺、食堂行ってくるから』
『ちょっまってよ俺も一緒に食べるから』
2人で1階の食堂に降り食券を買い食事を受け取ると
空いてる所に適当に座る。
気のせいだよな……何か視線が絡みつく見られてるのか?
まぁ確かにここに来るのは、かなり久しぶりだから
自意識過剰すぎかな?気にせず食べようっと
昼食を食べ出すと視線は気に成らなくなり食事を終える。
遠く方から僕達の様子を覗う3人の女子生徒と目が合うと
1人の女子生徒が僕達に近づいてゆっくりと歩み寄る
『あっ……あの……秋月先輩ですよね』
『はいそうです秋月です』
『先輩もすぐ卒業ですよね』
『まぁそうですね』
『あっ……あの……』
声を体の中から絞り出だしてるみたいに切なく淡い。
耳まで真っ赤にさせて初々しいなぁ 妹がいたらこんな感じ?がんばれって応援したくなる。
『そっ卒業式にぼっボタンください!!』
『ぼっボタン????』
僕の高校は、学ランでは無いブレザーだ!!
けどボタンが無い訳じゃ無いがコレッて普通のボタン!!
いいのかな?
漸くするとボタンを予約したい?念の為確認する。
『えっと僕のボタンの予約をしたいって事かな』
こくこくと激しく頷く
僕のボタンそんなに欲しいいんだ。
予約してまで欲しいなんてブレザーのボタンに目をやる。
コレ何処にでも売ってそうなボタン本当に欲しいのかな?
凄いなぁ女子我ながら何に関心したのかは、分からんが
返事をする
『分かったいいよどの組の何さん』
『1年C組の渡辺弓子です。』
『どのボタンがいい?』
指を差して指定する。
ブレザーで言う所のコレは第1ボタンなんだろうか?
『分かったありがとう貰ってくれて』
『そんな欲しいの私ですからそれじゃ』
タッタッタッと早足で少し離れて見ていた同級生に労われ賑やかに去って行く、そしてまた悠人が絡んでくる。
『いいなぁ恋は女にモテて』
『でもアレは、俺の看板しか見て無い子だろ』
少し不貞腐れ投げやり気味に言葉を吐き出した。
『それでも羨ましいよ』
『俺は、ただひたすら強く成りたくて
身も心も強くなりたかった。だけなんだけどな
心が強くなるのは、結局まだ分かんないわ』
『まぁいんじゃねそんなの分かんなくてもまだ俺ら15だぜ』
悠人の言葉で肩の荷が降りてスッキリした気分だ。
あの人の言葉がずっと重くのしかかり強いって意味を求めて力だけに拘(コダワ)って来た全然強くなくて、不意に思い出を思い出しては、泣くし俺はただ逃げてるだけなんじゃ……
5時限目が終わり
予期せぬ職員室への呼び出し。
ピンポンパンポン
『3年A組 秋月 恋君至急職員室来て下さい繰り返します
3年A組秋月 恋君至急職員室に来て下さい。』
ピンポンパンポン
悠人が俺の顔を見て耳元で囁く
『美優先輩とKissしてんのバレたかな?』
血の気が引き顔色が激変し青ざめる。
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