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現実からリアルに3
道場の玄関で一礼し入室する。
玄関付近にいた女子マネが僕に駆け寄り注意勧告する。
『すみませんここは、関係者以外は、立ち入り禁止です。』
『ん?君は食堂で会った子だよね?』
『は!!うっうぅぅ』
『はうぅぅぅ?大丈夫?』
『だっだっだいじょうぶです。あっあっあきづき先輩』
僕の顔を見るなり赤面して真っ赤だ可愛いなぁぁ
人が苦手なのかな?それとも男子が苦手なのかな?
『入っても大丈夫?』
『はっはい!!大丈夫です。』
道場に入るとい草の香りと部員の汗の臭い匂いが
同時に押し寄せる
入り口付近の練習場で正座していた部員と目が合う
『あっ主将』
『ん?主将は、お前だろ』
笑顔でやんわりと返す。
それを見ていた舞か僕達にゆっくり近づいてくる。
『そうですよいい加減慣れて下さい川口主将』
僕が来た事に顧問が気付くと大な声と手をパンパンと叩き
静止を促す。
『きゅうけぇぇぇい休憩、休憩だぁぁぁぁ』
制止する部員達の視線が僕に集まる
『あっ何かごめんねこんな中途半端な時間に来て』
短髪の男の子が空手衣で汗を拭いながら発言する
『何で謝るんですが主将!忘れてた向井先生が悪いんでしょ』
『前主将だね今は、川口だろ』
僕の横に座っていた川口の頭をぽんぽんする。
『まぁごめんねは、練習止めた事にだから 深い意味は無いよ
さっき向井先生に言われて来たから何も考えてなくてさ。』
と言いながらも40人近くいる空手部員に、
1人1人にダメな点を細かく身振り手振りで助言する
終わる頃には40分も経過していた。
アドバイスし終わるとやっと実感する。
僕がここから居なくなるという事を
『最後に、主将あとは、よろしくな。』
空手部に在籍中は、ただがむしゃらに強さを求め
元カノに振り向いて欲しい一心で全中優勝目指して
連覇したけど本当に欲しい物は、まだ何処にも無い。
全空手部員一同
『お疲れ様でした。ありがとうございました』
指で涙を拭うと言い忘れてること思い出した。
『あっ?!!そう言えば2つ言う事を忘れてた』
2本指を少し右に傾けて見せてる
『さっき言われた事しっかり直したら全中1取れるかもね。
それともう1つこっちは、凄く大事な事だからもし
全中1取るとなんと凄い事が起きちゃうんだよ~
なんと!なんと!!なんと!!!』
少し勿体付ける
空手部員達が前のめりになり圧を掛けてくる。
『女子生徒が手のひら返したかの如くモテモテになるカモダ
だから頑張れよお前ら』
カモダの所を故意的に小さく言ったのが功を奏した。
一同響動(ドヨメ)き、空手部員達は、光悦 半狂乱で何に喜んでいるのか分からないがやる気が出たみたいだ。
その後も空手部員を一頻(ヒトシキ)り煽り終えると
園崎が僕の肩を指でトントンする
園崎の方を見ると僕に一礼する
『ありがとうございました。』
『ん?何が僕は、本当の事言っただけだよ』
『本当に人を乗せるのがお上手ですよね。先輩って』
少し照れくさそうに返事する。
『そうかな?』
『ちなみに先輩それ褒めてません。』
『え?!!!そうなの?』
僕の驚いた顔をみて園崎は、
くすくすと笑っい少し照れくさそうに喋る。
『えっと
先輩のボタンを予約出来るって噂を聞いたんですが』
『ボタンの予約???』
お昼に1年生の空手部マネにボタンを予約された事をすっかり忘れていて。今思いだす。
『ん?!あっ!!あれかぁえっと渡辺さんの話しか』
こくこくと頷く園崎
『そうですソレ私も予約していいですか?』
『良いけど』
『けど?』
『あんな何処にもでも売ってそうなボタン本当に欲しの?』
園崎は、深くため息を吐く
『なに?俺そんなに酷い事言った?』
『本当に先輩ってイケメンなのに残念メンズですね。』
『俺ってイケメンだったんだ? でも残念なメンズなんだね』
少し肩を落とす。園崎は、そんな僕を見ながら説明する。
『好きな人が着てる制服は、別なのです。』
この子どさくさに紛れに凄い事言うな.......
こんな道場の沢山、人がいる所で
『はっ!!いやそのライクですよもっ勿論!!』
自分の言った事に気がついたのか?すかさずLoveでは、
無いと否定ちょっと寂し気もする。
『ふむふむ空手部のマネージャーって何人だっけ?』
『私入れて7人です。』
『はっ!!そんなにいたっけ』
『本当に先輩は、残念メンズですね。』
『分かったじゃ僕のボタン欲しい子まだいたら聞いといてあと5個は、確保しとくから。』
『そういう所は、イケメンなんですね。』
ダメだ園崎の言ってる残念メンズとイケメンの境い目が僕には、理解が出来ない。
『じゃ宜しくねぇ~』
道場から出るともう辺りは、暗く乾いた風が吹き荒ぶ
いつも2人で下校してる事も要因なのかも
知れないが身も心も寒く感じた。
1人寂しく校門に向かう
凛とした空気の中ヴゥゥゥゥ ヴゥゥゥゥ ヴゥゥゥゥ
内ポケットの中でスマホが震える。
画面を見ると 美優ちゃんからだ
『もしもーしどうしたの?』
『寂しくて声聞きたくなったの』
『そっか大丈夫だった悠人とちゃと帰れた?』
『うん.......恋君に会いたいの』
『え?さっきも一緒にいたじゃんどうしたの急にそれに
今日もう遅いし.......。』
聞いてるのか聞いて無いのか分からず無言が続く
『分かった何で会いたいか教えて下さい』
『何で敬語?』
『何でもです。』
『うぅぅぅぅだって付き合ってもう半年じゃんここまで言えば分かるでしょ』
ここまで言えばって?何も言って無い気がするが何となく理解は出来た。
ふむどうした物かもう無理なのかな美優ちゃんの気持ちから逃れる事は、
『わかった家に行くね』
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