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「……そうだよ、あいつらが噂してる通り……11月に引っ越すことになったんだ」
と言って間宮君はサッカーボールを手に取り、クルクルと指で器用に回す。
『どうってことない』と強がっているかのように――
「……ご、ごめんなさい!!」
「あー、もう……お前が謝ることないからっ」
間宮君は少しイラついたように頭を掻く。
「で、でも……話したくないこと訊いちゃって……」
「俺が勝手に話したことだから……お前は訊いてくるように頼まれたけど、結局、訊くの嫌だったんだろ?」
「う、うん……」
「俺はさ……『間違ってる』って思った時は、相手にどう思われようとハッキリ『嫌だ』って言うことにしてる……」
「……うん」
「まぁ『間違ってる』って伝えても、どうにもならない時もあるかもしんないけどね……」
大人びた口調で間宮君は言う。
離婚のことで間宮君も何か親に意見してみたのかもしれない……
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