やってしまった…薫side

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やってしまった…薫side

小さい頃の夢を見た。おばぁちゃんが怒ってる夢、優しくて時々厳しい人だった。 「薫、またイタズラしたでしょ、」 「ごめんなさい…」 「ごめんなさいが言える薫は偉い子だね〜。忘れるんじゃないよ。」 おばぁちゃんは厳しいと言ってもやんわり怒るだけだった。そして謝ると必ず褒めてくれた。 私が目を覚ますとそこは病院だった。 「病院、?」 「あ、起きた?」 「ひぃ!…100万…」 「俺の名前は100万じゃないよ笑」 彼は優しく微笑んでいた。 「あの…」 「ごめん!」 「え?」 「100万円なんて嘘なんだ…本当はあのスーツ2万で少し脅かしてやろうと思っただけだったんだ。ごめんなさい…」 100万じゃなくて…2万? 「良かった〜」 安堵した…100万なんてとんでもない額私には無理…安堵したら急に涙が出てきた。 「え!?泣くほど…?…そうだよね!100万なんて普通無理だもんね…ごめんね?俺が悪かったよ?だから泣かないで?」 そう言って彼は私の涙を袖で拭ってくれた。 「ありがとう…ございます…」 「いえいえ!あ!クリーニング代とかも別に大丈夫だから!スーツの替えはいくらでもあるし!それに検査してもらったら何も異常ないって!」 「ありがとうございます。」 「じゃあ俺はそろそろ行くね?お風呂も入りたいし!」 「お風呂?」 朝なのに?なんなら今は昼間すぎ… 「あ、俺ホストだから朝帰りだったんだ!えっと…なにもないとは思うけどこれ俺の名刺!念の為に渡しておくから。要らなかったら捨てて?」 「はい…」 「どうして笑わないの?」 「え?」 「自分で言うのもあれだけどさ?俺かなりの美形だよ?なのにきゅん!とかしないの?」 「そう言われても…笑」 何言ってんの?この人、変わってる。 「まぁいいや!…そういえば名前は!!」 「…土方…薫…です。」 この名前自分では嫌いなんだよね…絶対馬鹿にされる新撰組に関係あるのかとか聞かれる。 「土方薫さん!いい名前だね?俺の名前は!」 「海…さん?」 「あ〜それは源氏名!本名は斎藤海斗!なんか 斎藤と土方って新撰組みたいだね!何か関係あるの?」 「…全く関係ないです。」 ここでみんなつまらないって顔するんだよな…どうせこの人も… 「そうなんだ!まぁ関係ある人の方が少ないよね!ちなみに俺はね!斎藤一さんと少しだけど関係あるみたいなんだよね!」 「…それだけですか…?」 「へ?」 私何言ってるの!!それだけですか!っていいじゃない!それだけで!! 「えっとぉ〜……」 ほら!困ってる!! 「…なんでもないです。」 「もしかして苗字で嫌な思いしたの?」 「…え?なんで、」 「だって、そんな感じしたからさ!土方ってあんまり居ないから!苗字が嫌だったらそうだな〜、薫ちゃんって呼んでもいいかな?あ!でも苗字嫌いじゃないかもだよね!えっと…」 「ふふ!」 あたふたしてる彼をみて私は笑ってしまった。 あまりにも子供ぽかったから。 「やっと笑ったね!」 「え?」 「ずっと笑わなかったから。笑ってた方が可愛いよ!じゃあまたね!薫ちゃん」 「可愛い…って初めて言われた。」 結局苗字の事聞かれてないし、もしかしてちょっと抜けてるのかも?なんて思った その日は1日入院をした。 翌日から問題という判断で帰ったんだけどお会計しなくていいのかな?と疑問が残った。
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