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時折 薫side
あれから、斉藤さんとは近所のコンビニでしょっちゅう合うようになっていた。
「あ!薫ちゃんおはよ〜」
「おはようございます、」
挨拶をするだけのことが多いけど…
まぁ斉藤さんのこと好きか嫌いかって言われたら分からない。
私はホスト自体に興味はないしホストをしているからといって毛嫌いもしない。
「薫ちゃん、考え事?」
「え?」
「なんか眉間に皺を寄せてこんな顔してたからさ」
そういうと彼は眉間に皺を寄せ微笑んでいた。
「そんな顔してましたか?」
「してたよ〜。どうしたの?何かあった?」
「いえ、特には何も無いですよ。」
「そういえば!俺ら出会ってから1ヶ月も経つのになんかよそよそしくない?」
「そんなことないですよ?」
「…もしかして、ホスト苦手とか?」
「別に苦手って訳では無いですよ。」
「じゃあ、男の人が怖い?」
そうだ、私は男の人が怖いんだ。
しばらく自分と近い人と話してなかったから思い出さなかったけど私は…歳の近い男の人が怖い。
よくある事で学生の時、いじめられていたから。なんなら女の人も怖い。
「図星って顔してるね、」
「…。」
「ごめんね、?」
「え、?どうして謝るんですか、?」
「だって、男の人が怖いのに俺結構話しかけちゃったから。これからはあんまり話しかけないようにするからさ、」
「…克服しなきゃっては、思うんですけど。」
「怖いものを克服するのは難しいことだよね〜。俺もおばけ怖いし笑…んー、でもそれとこれとは別か笑笑」
「…だから…あの、」
「ん?」
「…やっぱり、なんでもないです…失礼します!」
私、今なにを言おうとした、?克服しなきゃっては本気で思ってる。
でも、斉藤さんには関係ないことだし、
私…もしかして、克服するために斉藤さんを利用しようとした?
いやいや…斉藤さんはホストだから確かにお話は上手かもしれない。
でも…斉藤さんも怖い。
見た目は優しそうな人だけど、もし裏でめんどくさいとか思われてたらって思うと怖くてたまらない。
「仕事、行かなきゃ。」
「…薫ちゃん、顔面蒼白だけどどうしたの?」
「所長!おはようございます。」
「おはよう。体調悪いの?」
「…そういう訳ではないですよ?大丈夫です!元気ですよ!」
そんな顔面蒼白だったのかな、どうしても考えると怖くて冷や汗が止まらなくなるし気持ち悪くもなってしまう。
「ならいいけど無理はしないでね?あと今日本社の方々がいらっしゃるから来たら教えてね?」
「わかりました。」
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