7 アップルパイ

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 颯斗さんはスパルタで、あれよあれよという間に生地がまとまった。それを冷蔵庫に入れて、一息つく。 「ふう」 「はい、お疲れ様……と、言いたいところだけど、これからりんごを煮るよ?」 「はい……」 「りんごの皮を剥く!」 「は、はい!」  しばらくすると、部屋に甘いりんごの匂いがたち込める。その匂いに反応して、私のお腹がぐ~と鳴った。 (そういえば、朝から何も食べてない……) 「まだ食べちゃだよ?」  まるで私の心を読んだかのように、颯斗さんはそう言って私を睨む。 「次は生地の続きだからね」 「は、はい……」  そんなこんなで、オーブンにアップルパイを押し込んだ。 「ふう」 「やっと一息だね~♪ お疲れ様」  颯斗さんは、私の頭をポンポンと撫でた。見上げた彼は笑っていた。なのに、なぜか切なそうに瞳を揺らしていた。
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