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8 ダージリンクッキー
「妬けちゃうなぁ……」
雄嗣と佳英ちゃんの前から立ち去り自分の部屋に戻った俺は、チャロの姿を探した。チャロは窓辺のソファの上で、背中を丸めて寝ていた。
いつも、俺が雄嗣の傍にいた。
そうやって、雄嗣に悪い虫がつかないようにしていた。
あの子も一緒だ。ジャマ子とか言うから、少し油断した。
コンビニで会った時は驚いた。だから、カフェで彼女が来るのを張っていたら、案の定彼女は現れた。
雄嗣の前から、彼女を消す予定だったのに、俺はなぜデートの約束までさせてしまったのだろう……。
「バカだな~、俺」
気持ちよさそうに寝息を立てる彼女の隣に座って、背中を撫でる。チャロはぴくっと体を揺らして起き上がると、そっぽを向いてどこかへ行ってしまう。
「君まで僕を置いてけぼりにするの?」
チャロの後を追うと、彼女はゴミ箱の前で止まった。
「にゃ~」
「チャロ……」
そこからクッキーを拾い上げると、なぜだか乾いた笑いが口から洩れた。
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