2 キャラメルとチョコレート

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「ふぁぁ~……」  あの後、部屋に戻って、鍵が落ちてこなかったらどうなっていたのだろうと悶々と考えてて、気が付いたら朝になっていた。  今日の仕事のお供を買おうと、近くのコンビニに来た。 (期間限定のイチゴフレーバーのチョコ、発見!)  手を伸ばした。と、タッチの差で隣から伸びてきた腕に取られてしまった。 「あっ!」 「ああ゛? ……またお前か」 「嘘でしょ! 最後の一個だったのに……」 「恨むなら自分の瞬発力の無さを恨むんだな、ジャマ子!」  勝ち誇った笑みでこれ見よがしにチョコの箱を振りながら、彼はレジに向かっていった。 「もう……」  仕方なく私は、コーヒーだけ買いにレジに向かった。 「はぁ……チョコ……」  コーヒーマシンから出てくる液体は、確かにコーヒーの匂いがするのに、何故かチョコに見えてしまう。  と、目の前に黄色い箱が差し出された。 「お前はこれ食ってろ」  そう言って彼は去っていった。 「これ……」  キャラメル男が私に手渡してきたのは、キャラメルの箱だった。
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