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前編
その日はいつもと同じ夜だった。
法学部を卒業し見事司法試験に合格した俺こと青砥 海(あおと かい)は、親の弁護士事務所を引き継ぎ地元の茨城県水戸市で弁護士をやっている。
今日も無事仕事を終え帰宅したら、隣の家に救急車が止まっていた。
隣の家は亀有家、俺の幼なじみの家だ。
幼なじみの名前は亀有 陸(かめあり りく)。都内の学校で数学教師をしており、両親はこの近所で喫茶店「tortue」を経営している。
が……。
何事かと思い外に出ると、陸の母親……おばさんが救急車内に運ばれてるところだった。
生まれた時からずっと一緒だった俺と陸。
陸の両親も、俺の事を家族同然にみてくれてすごくお世話になった。
「おばさん!!」
だから、俺にとっても陸の両親は家族のようなものだ。心配にならないはずがない。
救急車は定員オーバーだったので、俺と俺の両親は車で病院に向かった、
病院につき、診察や治療を終え診断結果を聞いた陸の父親……おじさんが俺たちの前に来た。
とても神妙な面持ち、きっといい結果じゃなかったのだろう。
「どうでした……?」
俺は恐る恐る聞いた。
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