最後は笑顔で

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「雪ちゃん、江奈っち!食後のデザートが完成したわよ!座って待ってて!!」 戻るや否や、ハナちゃんが興奮気味に手招きをする。 「え?デザート??」 そんなの作ってたかな? でも丁度、甘い物が食べたいなと思っていたから、私はワクワクしながら席に着いて待った。 すると、ハナちゃんが厨房裏からでっかいバケツを抱えて帰って来る。 (ん?バケツ……?) 真司さんがニコニコしながらテーブルの中心を空けると、どっこらしょ!とハナちゃんがそのバケツをそこにドカンッ!と置いた。 「ふぅ~、重かった!はい!『ハナちゃん特製、バケツプリン~真司&ハナ復縁記念スペシャル~』よ!!」 どうだ!と両手を広げてニコニコしている真司&ハナ。 もしかして、厨房裏でキャッキャしていたのは、これの為……? 「さぁ!遠慮しないでどんどん食べて!!」 楽しそうな二人とは対照的に、私と雪ちゃんは固まる。 (いや、甘い物欲しいな、とは思っていたけど、全部食べきれなくない……?) だって、バケツだよ? 容量的に、何リットルとかの世界じゃない? 雪ちゃんもそう思ったのか、私たちは同じタイミングで顔を合わせる。 で、やっぱり同じタイミングで真司&ハナを見上げる。 自慢げに微笑んでいる二人を見て、 「…プッ……アハハハハ!!」 私たちは同時に吹き出した。 「え?なに?どうしたの?」 お腹を抱えて笑っている私達を見て、真司&ハナが首を傾げている。 「どうしたの?じゃないわよ!誰が食べるのよこの量!ハハハッ!」 私は雪ちゃんの言葉に、涙を拭きながらうんうんと頷いた。 「え~?ダメだった?」 ハナちゃんがシュンと肩を落とす。 「いや、面白いからいいわ。あ~おっかしい。プッ…フフフ……」 「ハナちゃんのプリン美味しいし、私も良いと思います…フフッ……」 そう言うと、ハナちゃんの目が輝きを取り戻し、「じゃあみんなで食べましょう!」とウキウキでお皿を手渡して来た。
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