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落ち着いた所で私達は、各々食べたい量をスプーンで取り出す。
「いただきます!」
声を揃えていただきますをし、一口プリンを頬張った。
「ん~、やっぱり美味しい~~♡」
バケツいっぱいに作られてはいるけど、大味ではなくなめらかで舌触りの良いプリン。カラメルソールのほろ苦さがマッチしていて、とても美味しい。
甘い物って、食べてるだけでどうしてこんなにも幸せな気持ちになれるんだろう。
「ちょっと雪ちゃん!もっと食べれるでしょう!?」
「これ以上は無理……」
「いーや!もっとイケる!ホラ!!」
「ハナ…無理強いは良くないよ……」
「真司!あんたももっと食べれるでしょう!?」
「これ以上は無理だよ……」
私がうっとりしている横で、3人がギャアギャア騒いでいる。
いつもの風景が広がっていて、平和だなぁ…なんてクスっと笑う。
ずっとこんな風に賑やかな毎日でありたい。
みんな笑顔で……。
「ちょっと、江奈っち!一人で浸っていないで食べなさいな!」
ズイッ!と差し出されたバケツの中には、半分も減っていないプリン。
チラッと雪ちゃんと真司さんを見ると、テーブルに突っ伏して撃沈している。
ニコニコしながらプリンが乗っているスプーンを差し出すハナちゃん。
確かに笑顔が絶えない毎日を送りたいって思ったけど……。
(あれ?それってこう言う事だっけ?)
と、よく分からなくなってしまった私だった。
ー完ー
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