すべてが始まる夜に【コミカライズ原作】

こんなのキスじゃない

なっ、なにするの？

舌で唇をなぞられるたびにゾクゾクする感覚が身体の中を駆け巡る。何度も舌で唇をなぞられ、頭の中がぼうっとして息が途切れ始めた。

ねっ、ねぇ、息継ぎって、息継ぎってどうするの……。

いつ息継ぎをしていいのかわからず、少しでも息を吸い込もうと口を開きかける。その瞬間、空いた隙間から部長の舌が口の中に入ってきた。

ちょっ、ちょっと待って。
こっ、これってどういうこと？
口の中に舌を入れるって……。

慌てて口を閉じようとするのに閉じることは許されず、部長の舌が奥へ挿しこまれ、私の口の中を動き回る。そして口の中を確認するかのように歯列に舌を這わせた。

さっきまで感じていた甘いプリンの味が、部長の舌でどんどん消されていく。
そのうちおとなしく引っ込めていた舌が捉えられ、部長の舌が私の舌に絡まり始めた。

激しく舌を絡められ、部長の息遣いが激しくなる。
もう何が起こっているのかわからず、それに耐えられなくなった私は部長の腕をぎゅっと掴んだ。