魔性のプリン

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「ねぇ、部長、ラルジュのプリンもこんな風に器に出して提供するのはできないですかね? 新店舗で試験的に提供するっていうのは無理でしょうか?」 「試験的に提供、か。なるほど……。そうだな、あのギャラリーの店舗ならやってみる価値はあるかもしれないな」 「器やプリンのデコレーションに関してはカフェでできる範囲の中で考えるとして、プリンをこんな風に提供したらお客さんはどんな風に反応するのかを見てみたいんです。店内での注文が増えるのか、それとも今までと同じでテイクアウトの方が多いのか……。そういうのはやっぱり無理ですかね?」 部長は真剣な表情をして、うーんと考えている。 「やっぱり試験的にっていうのは難しいか……。このカフェだけ特別にってやってたら、チェーン店の意味ないですもんね」 「いや、企画してみるのもいいかもしれない。来週の会議でそれをみんなで煮詰めてみよう。企画ができたら社長にあげてみるよ」 「えっ? 直接社長にですか? 本部長や常務を通り越して?」 いきなり社長という言葉が出てきたので、驚いて部長の方を向く。 「あ、いや、まあとりあえず上にあげてみるから、来週の会議で話し合ってみよう。それより早くプリン食べろ」 少し慌てたような部長に首を傾げながら、私はプリンを口に入れた。
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