魔性のプリン

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「お前の気持ちはよくわかった。真面目と言われて傷ついていたなんて知らなくて、俺はかなり白石に対して “真面目だ” と言っていたと思う。悪かった。許してほしい」 「そんな謝らないでください。部長が悪いわけではありません。自信のない私が悪いんです。だからもう言わないでもらえればそれでいいです。すみません」 「わかった。もう言わないようにするよ。ほんとに嫌な思いをさせて悪かったな。それとさっきの話だが……、あれはやっぱり好きな男とした方がいいと思う。あんなキスをした俺が言うのもなんだが、そういうことは好きな男とするもんだ、と俺は思う」 部長は真剣な表情で、私に言い聞かせるように静かに言った。 やっぱり断られてしまった。 この先好きな人ができたとしても、こんな自分を知られるのが怖いから恥を忍んで部長にお願いしたというのに、断られたってことは、私にはキス以上のことを教えたいと思えるほどの魅力がないんだろう。部長は好きな男性とした方がいいって言ってるけど、要するにキスもろくに知らない私とはセックスはできないってことだ。ますます悲しくなってくる。 「それはやっぱり私には魅力がないからできないっていうか、抱けないってことですよね? だから教えられないってことなんですよね?」 もういい。ここまで部長に自分をさらけ出したのだ。 私のどの辺りに魅力がないのか聞いてから帰ることにしよう。 「そうじゃないよ」 「どこに魅力がないか教えてください。やっぱり女性らしい色っぽさがないってことですか?」 「そうじゃないって」 「じゃあ、どうしてなんですか? どうして教えてくれないんですか?」 部長は小さく息を吐いたあと、気を取り直すようにして私を見つめた。
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