レッスン開始

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再びそっと唇を近づけ、部長の唇に重ねる。 そのまま少し口を開き、部長の口を食べるように軽く唇を包み込んだ。 この間部長に同じことをされたけど、自分からこんなキスをすると部長の唇の形や感触がはっきりと伝わってくる。 今の私にはこれが精一杯のキスだ。 これ以上の大人のキスをしろと言われても、もうできそうもない。私は部長の肩に置いてある両手に少し力を入れて唇を離した。部長の目がゆっくりと開かれる。 だけど部長は何も言わず私を見つめると、優しく私の頬を両手で挟みこんだ。 茉里、と低く掠れた声で囁かれる。 艶めかしい潤んだ瞳で見つめられ、名前を呼ばれただけなのに、ゾクゾクっとした感覚が身体の中を流れていく。 ほんとにお前ってヤツは──。 そう囁いたかと思うと、顔を近づけ、吸い取るように激しく唇を重ねてきた。 片手は私を抱き締めるように背中にまわされ、もう片方の手は後頭部にまわされて固定される。 そして唇の輪郭を確かめるように舌でなぞられ、唇が食まれた。口がこじ開けられ強引に舌が挿しこまれる。 すぐに部長の舌が私の舌を捉えて絡みついてきた。 舌を絡めたり解いたりしながら、部長は何度も角度を変えて激しいキスを繰り返す。 しーんとした部屋の中にリップ音だけが響き、舌で口の中をなぞられる感触がどんどん身体に力を入らなくさせていく。 すると部長は唇を離すと、後頭部に当てていた手を私の頬に移動させ、輪郭をなぞるようにすうーと指を滑らせた。そのまま指が胸元まで落ち、ブラウスのボタンがひとつずつ外されていく。 うそっ? ぶ、ブラウス脱がされるの? 突然の部長の行動にどうしていいかわからず戸惑っていると、するりとブラウスが脱がされた。 キャミソールは着ているもののブラとキャミソールだけの姿を見られるのが恥ずかしくて、私はカーディガンの袖をぎゅっと握って部長の肩に顔を埋めた。
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