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こんな恥ずかしい姿も、そしてさっき以上に真っ赤になっている顔も見られたくない。
顔を上げさせられないように肩に顔を埋めていると、「茉里」と耳元で囁かれた。
そのまま耳朶を甘噛みされ、耳の中に舌を挿しこまれる。
「ああっんっ………」
無意識に喉の奥から艶めかしい声が漏れた。
声を聞かれるのが恥ずかしくて手で口を塞ぎたいけれど、部長に抱きしめられているため手を動かすことができない。そんな私の心情を知ってか知らずか、部長は耳朶を甘噛みしたり、耳のふちを舌でなぞったり、中に舌を挿しこんだりと繰り返していく。
「いやっ……、あ、ああっ……んっ」
こんな声出したくないのに、自分の意思に反して感じている声が溢れ始める。私は顔を少し横に動かして、部長の首筋に唇を這わせて自分の口を塞いだ。
その瞬間、「あっ……」と部長から吐息のような声が漏れた。
私は絶え絶えになった息を整えるのと自分の声を塞ぐため、首筋に唇をくっつけたり離したりしながら必死で呼吸を繰り返した。
「おっ、お前、何して……。そんなとこで息吹きかけたら……」
部長は耳から唇を離し、私の右肩に手をかけた。
そのままキャミソールとブラの肩紐が落とされる。
そして今度は背中に手をまわし、ブラのホックを外した。きちんと固定されていた肩紐が緩み、左側の肩紐もずれ落ちる。
「茉里、俺に顔見せて」
部長の優しい声が耳元から聞こえてくる。
「やだ……。恥ずかしいから見ないで……」
「恥ずかしくないよ。可愛いよ、茉里」
どうしてなんだろう。
部長にそう言われると恥ずかしいと思っていた気持ちが小さくなり、可愛いと言われたことで素直に嬉しいと思ってしまう。
埋めていた肩から顔を離して部長に視線を向けると、部長はにっこりと優しい笑みを浮かべて私を見た。
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