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「やだっ、悠くん……、あっ、あんっ……やぁ……んっ」
首筋に唇を這わされ、胸の尖端を口に含みながらも、さっきみたいに抱きしめられることはない。
脚の間に挿しこまれた指は止まることなく、部屋の中にいやらしい水音を立てながら動いている。
「茉里、ほんとにごめんな。この続きは来週するから……。気持ちいいなら、もっと声聴かせて」
「変に、変に……、悠くん、私、変になっちゃう……」
「変になっていいよ。茉里、可愛い。もっと感じてる姿見せて」
自分の身体なのに、自分の身体だとは思えないくらいビクンビクンと身体が動き始める。次第に視界がぼやけ、部長の顔が霞み始めた。
「ゆっ、悠くん……、だっ、だめ……、あっ、あっ、あっ、だめっ……」
急に何かが弾けたように頭の中が真っ白になった。
その瞬間、身体全体の力が一気に抜ける。
部長の手の動きが止まり、ゆっくりと指が抜かれた。
茉里、と呼ばれてゆっくりと身体を起こされると、そのままギュッと抱きしめられた。
ごめんな──と耳元で囁かれ、何を謝られているのか分からないけれど小さく首を振る。
怖かったか──? ともう一度囁かれ、再び首を振った。
そして、良かった──と安心するように呟くと、優しく頭を撫でられた。
身体を離した部長は、私の頬を両手で挟み、柔らかく微笑みながら顔を覗き込んだ。
「大丈夫か? 今日はここで休んで、明日の朝帰ってもいいぞ」
「ううん……、大丈夫……」
「何か飲むか?」
いらない、と首を振ると、ぼうっとしながらソファーの下に落ちているブラとキャミソールとブラウスを拾い上げた。下着を身に着け、ブラウスの袖を通し、ボタンを留めていく。そしてソファーからゆっくりと立ち上がった。
足に力が入らずふらっと倒れそうになり、部長がすかさず抱き留めてくれた。
「茉里、大丈夫か? ほんとにここにいてもいいんだぞ」
「大丈夫……。悠くん……、今日はありがとう」
首を振りながら見上げると、またぎゅっと抱きしめられた。今日何度も嗅いだ爽やかで甘い香水の匂いがする。
「来週も……来週もレッスン、お願いします」
私はそう言って頭を下げると、部長の部屋を出て3階の自分の部屋へと戻っていった。
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