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「あー、びっくりしたよね」
「ほんと、私もびっくりしました」
食事を終え、いつものように社食にある無料のコーヒーを紙コップに入れてフロアに戻る途中、葉子と若菜ちゃんは2人の部長の話で盛り上がっていた。
「もうさ、水島部長が『ここ空いてるかな?』って来たときにはもう心臓止まるかと思ったよ」
「私もです。見上げたら2人が立ってるんですもん」
「まさか一緒のテーブルでごはんが食べれるなんて思わないじゃん」
葉子は満面の笑顔で、今日はめちゃついてる!とはしゃいでいる。それに応えるように、若菜ちゃんがコーヒーを持っていない方の手を大きく動かしながら、興奮したように頷いている。
「でも『ここ空いてるかな』って言われた時って、葉子さんがちょうど松永部長の話をしてた時だったじゃないですか。私、すごく焦りましたよ」
「私も一瞬聞かれたかと思って焦っちゃった。まさかあんな話をしてる時に来るなんてほんとびっくりだよね。だけどさ、近くで見たら2人ともほんとにイケメンだったと思わない?」
「私もそれ思いました。いつもは少し離れたとこから見てるけど、近くで見たらこんなに整った顔してるんだなって。奥さんとか彼女って毎日あの顔が近くで見れるんですよね。いいなぁ」
「ほんと羨ましい。あっ、そうそう。そう言えばさ、水島部長って松永部長のこと下の名前で呼んでなかった?」
「あっ、呼んでました。2人って仲がいい? それとも昔からの知り合いなんですかね?」
「松永部長って4月にこっちに来たばかりでしょ。それまでずっと九州のはずだよね。違うのかな?」
「そうですよね。だったらこっちに来て仲良くなったとか? 」
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