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やっぱり迷惑ってことなのかな。
出てこないってことは、プライベートなエリアには来てほしくないってことだよね。
何も反応がないことにほっとしたようながっかりしたような気持ちを抱え、私は小さく息を吐いて視線を下に落とすと、薬を渡すことは諦めて自分の部屋に戻ることにした。
エレベーターの前まで行き降下ボタンを押す。
10階で止まったままのエレベーターは、すぐにドアが開いた。そのまま中へ乗り込むとゆっくりとドアが閉まり始める。ドアが完全に閉まりかけそうになったところで、私は開くボタンを連打で押してもう一度10階のフロアへ足を踏み出した。
部長、お家の中で倒れてないといいけど──。
もう１回確認だけして帰ろう。
往生際が悪いのか。
それとも心配してしまう性格のせいなのか。
やっぱり気になってもう一度部長の部屋のドアの前に立つ。そして、今度はそーっとドアノブを引いてみた。
さっき私が玄関のドアを閉めたとき、部長は靴を脱いで部屋の中へと入っていこうとしていた。
もしかしたら鍵をかけていないかもしれない──。
中にいる部長に気づかれないようにと少しずつゆっくりと引く。こんなことをしていると、何か悪いことをしている気分だ。
あっ、開いた！
思った通り、鍵はかかっていなかった。
ドアは開いたものの、部屋の中はしーんとしていて、中の様子はわからない。
私は恐る恐る部屋の中へ向けて声をかけた。
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